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小宮 健太さんの回答
70代で、低金利の預金のままの資産を投資信託で少し運用できないか、とお考えなのですね。高齢になってからの投資信託について、注意点とともに整理してお伝えします。
まず結論として、70歳以上でも投資信託を始めることは可能です。ただし、若い世代とは異なる配慮が必要で、「減らさないこと」を最優先にした慎重な進め方が大切です。
ご質問の「運用期間が短いことのリスク」から説明します。投資信託は、長期保有することで値動きの影響が平準化され、リターンが安定しやすくなります。しかし、高齢から始めると、運用期間を長く取りにくく、相場が下落したときに回復を待つ時間が限られます。下落したまま資金が必要になると、損失が確定してしまうリスクがあります。これが、高齢期の運用で最も注意すべき点です。
そのため、ご質問の「この年代に向いた投資信託の選び方」が重要になります。第一に、値動きの穏やかな商品を選ぶことです。株式100%の商品ではなく、株式と債券に分散されたバランス型ファンドなど、下落幅が比較的小さい商品が向きます。第二に、低コストであることです。信託報酬の低い商品を選びます。第三に、毎月分配型のような元本を取り崩すタイプは避けることです。仕組みが分かりにくく、資産が知らないうちに目減りすることがあります。
進め方としては、いくつかの大原則があります。第一に、生活費・医療費・介護費など、これから使う予定のあるお金には手をつけないことです。投資に回すのは、当面使う予定のない余裕資金の範囲に限ります。第二に、まとまった資金を一度に投じないことです。時間を分けて少しずつ投資することで、高値づかみのリスクを抑えます。第三に、無理のない金額にとどめることです。
また「家族との情報共有」は、高齢期の運用で非常に大切なポイントです。どこの金融機関に、どんな資産があるかを、信頼できるご家族と共有しておくことを強くおすすめします。万一、判断能力が低下した場合、本人以外は口座の手続きが困難になることがあります。家族が資産の全体像を把握していれば、いざというときに対応できます。また、金融機関での手続きに家族が同席する、成年後見制度などの備えを知っておく、といった準備も有効です。
ご質問の「70代から始めるのは遅いか」については、人生100年時代では、70代でもその後の時間は決して短くありません。ただし、「大きく増やす」より「インフレに負けない程度に、減らさず運用する」という目的に切り替えることが大切です。
ご質問の「高齢者が避けるべき投資信託」をまとめます。値動きの大きい株式集中型、テーマ型、レバレッジ型、毎月分配型、手数料の高い商品、仕組みの複雑な商品です。これらは避け、低コストで値動きの穏やかな分散型を選びます。
なお、銀行などの窓口で高齢者が投資信託を勧められる際は、手数料の高い商品を勧められやすい点にも注意が必要です。70代からの投資信託は、「余裕資金で・穏やかな商品を・家族と共有しながら」が鉄則です。商品選びや進め方は、商品販売を目的としないIFAなどに、ご家族同席で相談されると安心です。
小宮 健太
株式会社アリスタゴラ・フィナンシャル・サービス
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