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小宮 健太さんの回答
退職金として約3,000万円を受け取られ、運用した場合の見通しを知りたいとのこと。試算と、退職金ならではの注意点を整理してお伝えします。
まず、運用した場合の試算の目安です(複利・税引き前)。3,000万円を年利3%で運用すると、10年後に約4032万円、20年後に約5418万円。年利5%なら、10年後に約4887万円、20年後に約7960万円が目安です。ただし、これは一定の利回りを仮定した概算で、利回りは保証されたものではなく、相場によって増減します。運用益には約20%の税金がかかる点もご留意ください。
ただし、退職金の運用では、この試算を「3,000万円全額をこのペースで増やせる」と捉えないことが何より大切です。退職金は、これからの生活を支える大切な資金です。全額を運用に回すのではなく、目的別に分けるのが鉄則です。
具体的には、3,000万円を3つに分けて考えます。第一は、生活防衛資金と当面使うお金で、生活費の数年分や近い支出に充てる分です。これは預金や個人向け国債で確保し、運用には回しません。第二は、5〜10年は使わない中期資金で、債券やバランス型など値動きの穏やかな商品でゆるやかに運用します。第三は、当面使わない長期資金で、ここを株式を含む運用に回します。60代であれば、安全資産を6〜7割確保し、運用に回すのは3〜4割程度に抑える守り中心の配分が、一つの目安です。
ご質問の「全額運用と一部運用でどのくらい差が出るか」についてです。仮に全額3,000万円を年5%で運用できれば20年後に約8,000万円ですが、これは大きなリスク(下落時に資産が大きく目減りする)を伴います。一方、半分の1500万円を運用し、残りを安全資産に置けば、運用部分は20年後に約4,000万円、安全資産と合わせても全体の値動きは穏やかになります。リターンは下がりますが、退職金を守りながらインフレにも備えられる、というバランスです。
ご質問の「取り崩しながら運用する場合に何年もつか」についてです。退職後は、運用しながら少しずつ取り崩していくのが一般的です。たとえば3,000万円を年利3%で運用しながら、年120万円(月10万円)取り崩す場合、運用益が取り崩しをかなり補うため、計算上は30年以上もつ可能性があります。年金収入が加われば、取り崩し額はさらに減り、資産はより長持ちします。
ご質問の「手取りが額面より少ない」という税金の点についてです。退職金を一時金で受け取る場合、退職所得控除が使えるため、税負担は比較的軽くなりますが、勤続年数や金額によっては課税されます。額面3,000万円でも、税引き後の手取りはやや少なくなる場合があります。正確な手取り額は、勤続年数や受け取り方によるため、税理士に確認されると確実です。
退職金3,000万円は、守りながら運用すれば、老後の生活を長く支えられる規模です。一度に大きなリスクを取らず、目的別に分けて、当面使わない部分だけを無理のない範囲で運用する。これが鉄則です。本記事は2,000万円運用の考え方とも共通しますが、退職金は税金の論点も加わります。具体的な配分や取り崩し設計は、IFAなどの専門家に相談されると安心です。
小宮 健太
株式会社アリスタゴラ・フィナンシャル・サービス
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