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小宮 健太さんの回答
会社員を続ける将来に疑問を感じ、FIREを本気で目指したいとのこと。必要額の考え方を、年代別・家族構成別に整理してお伝えします。
まず、FIRE資金の基本となる「4%ルール」を説明します。これは、年間生活費の25倍の資産を築けば、その資産を年4%で運用しながら取り崩すことで、資産が長期間維持されやすい、という考え方です。逆に言えば、「必要資産=年間生活費 ÷ 4%(=年間生活費 × 25)」で、おおよその目標額が計算できます。
ご質問の「いくら必要か」を、生活費の水準別に見てみましょう。生活費が月20万円(年240万円)なら必要資産は約6,000万円、月25万円(年300万円)なら約7500万円、月30万円(年360万円)なら約9,000万円が目安です。生活費が高いほど、必要な資産も大きくなります。FIRE資金を考えるうえで、まず「自分が月いくらで暮らすか」を把握することが出発点になります。
ご質問の「年代別の目安」についてです。年代によって、FIREに必要な資産額の考え方が変わります。若い年代(20代30代)でFIREする場合、その後の人生(リタイア期間)が非常に長くなるため、より多くの資産が必要になり、4%ルールをやや保守的(3〜3.5%)に見ておくほうが安全です。一方、40代50代でFIREする場合は、リタイア期間が相対的に短く、また公的年金の受給開始も近いため、必要資産はやや少なくて済む傾向があります。たとえば同じ月25万円の生活でも、30代FIREなら8,000万円程度を見ておきたいところ、50代なら年金も近いため6,000万円台でも現実味が出る、といった具合です。
ご質問の「独身と家族持ちでどう変わるか」についてです。これは生活費の差に直結します。独身の場合、生活費を比較的低く抑えられるため、必要資産も少なくて済みます(月20万円なら約6,000万円)。一方、家族持ち(配偶者・子)の場合、生活費が大きくなり、さらに教育費という大きな支出が加わります。子どもがいる場合は、FIRE後も教育費がかかる期間を見込む必要があり、必要資産は独身より大幅に増えます(月40万円なら約1億2,000万円)。ご質問にあった「子持ちでFIREするにはいくら必要か」は、教育費の見込みを上乗せして計算する必要があり、独身より相当大きな額になります。
ここで、現実的な注意点をお伝えします。第一に、4%ルールは万能ではありません。リタイア直後に大きな相場下落が来ると、資産の減りが早まる「シーケンスリスク」があります。やや保守的に見積もるか、生活費の数年分を安全資産で確保しておくと安心です。第二に、インフレです。物価が上がれば必要な生活費も増えるため、資産も成長資産で運用し続ける必要があります。第三に、医療・介護など想定外の支出への備えも要ります。
また、完全FIREにこだわらず、一部を労働で稼ぐ「サイドFIRE」なら、必要資産は大きく下がります。月10万円を働いて稼げば、その分必要資産は数千万円少なくて済みます。
FIRE資金は、「生活費 × 25」を基本に、年代・家族構成・インフレ・リスクを加味して設計します。目標額が大きく感じても、入金力を高め、長期の国際分散投資で複利を効かせれば、近づけます。ご自身のケースでの具体的な必要額とロードマップはIFAなどの専門家と一緒に立てられると実現性が高まります。
小宮 健太
株式会社アリスタゴラ・フィナンシャル・サービス
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