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青木 光さんの回答
定年が近い年齢から新NISAを始める意味があるか、迷っておられるのですね。高齢世代のNISA活用について、メリットと注意点の両面から整理してお伝えします。
まず結論として、60代・70代から新NISAを始めても大丈夫です。ただし、若い世代とは違う使い方の工夫が必要です。
ご質問の「高齢者が新NISAを始めるデメリット」を正直にお伝えします。第一に、運用期間が短くなりやすいことです。NISAの非課税メリットは、長く運用して利益を積み上げるほど大きくなります。高齢から始めると、利益が十分に育つ前に資金が必要になったり、相場の下落から回復を待つ時間が取りにくかったりする可能性があります。第二に、値下がりリスクです。NISAは非課税というだけで元本保証ではなく、投資商品が値下がりすれば損失も出ます。「非課税だからお得」という言葉だけで、リスクの大きい商品に資金を集中させるのは避けるべきです。第三に、相続の観点です。NISA口座内の資産は、保有者が亡くなると非課税扱いが終了し、相続時には課税口座へ移されます。
ご質問の「運用期間が短いと不利では?」という心配は、的を射ています。だからこそ、高齢世代では値動きの大きい商品に偏らず、債券を含むバランス型など、値動きの穏やかな商品を選ぶことが大切です。
一方で、60代・70代でも新NISAが有効な使い方はあります。再雇用などで当面収入があり、すぐに取り崩す必要のない余裕資金があるなら、それを預金に置いたままインフレで目減りさせるより、NISAで非課税運用するほうが効率的です。人生100年時代では、60代でもその後20年以上の運用期間が取れる可能性があり、「高齢だから手遅れ」とは限りません。
ご質問にあった「退職金でNISAの枠を一括で埋めるのはあり?」については、慎重に考えるべきです。退職金というまとまった資金を、一度に値動きの大きい商品へ投じると、直後の下落で大きく目減りするリスクがあります。NISA枠を使うとしても、一括ではなく時間を分けて投資する(積立や数回に分ける)ことで、高値づかみのリスクを抑えられます。また、退職金の全額ではなく、生活費や近い支出を確保したうえで、当面使わない一部だけを回すのが鉄則です。
まとめると、60代・70代のNISAは、(1)当面使わない余裕資金に限る、(2)値動きの穏やかな商品を選ぶ、(3)一括ではなく時間を分散する、(4)相続も意識する、という工夫をすれば、有効に活用できます。ご自身の資産全体と今後の見通しを踏まえた使い方を、IFAなどの専門家に相談されると安心です。
青木 光
株式会社アリスタゴラ・フィナンシャル・サービス
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