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青木 光さんの回答
事業が安定し、マイクロ法人の活用を検討されているのですね。個人事業主の方がマイクロ法人を作る狙いと、資産運用との関係を整理してお伝えします。ただし、税務の最終判断は税理士の領域になりますので、考え方の整理としてお聞きください。
まず「マイクロ法人」とは、主に節税や社会保険料の最適化を目的に設立する、小規模な法人を指す通称です。個人事業と法人を使い分けることで、税負担や社会保険料を抑えられる場合があります。
主なメリットとして挙げられるのは次の点です。第一に、社会保険料の負担を下げられる点です。個人事業主は国民健康保険・国民年金に加入しますが、マイクロ法人から最低限の役員報酬を取る形にすると、社会保険(健康保険・厚生年金)に切り替わり、設計次第で保険料負担を抑えられる場合があります。第二に、経費計上の範囲が広がることです。法人では、個人事業より幅広い支出を経費にできる場合があり、課税所得を圧縮できることがあります。第三に、所得の分散です。個人と法人に所得を分けることで、累進課税の負担を和らげられる場合があります。
ただし、ご質問の「資産運用に活かせるか」という点では、慎重な見極めが必要です。法人で有価証券を運用する場合、個人(NISA含む)とは課税の仕組みが異なります。法人の利益には法人税がかかり、配当や売却益の扱いも個人と違います。NISAのような非課税メリットは法人では使えません。一方、法人では損失を他の事業所得と通算できたり、繰り越せたりする利点もあります。資産運用そのものの効率は、個人と法人で一概にどちらが有利とは言えず、状況次第です。
そして、設立・維持のコストも無視できません。法人設立には登記費用がかかり、設立後も法人住民税の均等割(赤字でも年7万円程度)、税理士への顧問料などが毎年発生します。これらのコストを上回るメリットが出るかが、判断の分かれ目です。
向いているのは、事業所得が一定以上あり、社会保険料や税のメリットがコストを上回る方です。資産運用は副次的な要素と考えるのが現実的です。設立の損得は個別事情で大きく変わるため、税理士に試算してもらい、運用設計はIFAなどと合わせて検討されることをおすすめします。
青木 光
株式会社アリスタゴラ・フィナンシャル・サービス
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