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渡辺 吉祐さんの回答
企業型確定拠出年金(DC)と退職金の両方を受け取る予定で、受け取り方による税金の違いに悩んでおられるのですね。考え方を整理してお伝えします。なお、具体的な税額計算は税理士にご確認いただく前提でお聞きください。
まず、ご質問の「一時金と年金、どちらで受け取るのが得か」についてです。確定拠出年金は、受け取り方を「一時金(一括)」「年金(分割)」「その併用」から選べます。それぞれ課税の仕組みが異なります。
一時金で受け取る場合は、「退職所得」として扱われ、退職所得控除が使えます。退職所得控除は、勤続(加入)年数が長いほど大きくなり、控除後の金額もさらに2分の1に軽減されるため、税制上とても有利です。多くの場合、一時金受け取りが税負担を抑えやすいとされます。
年金で受け取る場合は、「雑所得」として扱われ、公的年金等控除が使えます。ただし、公的年金と合算されるため、受け取る時期や金額によっては、他の年金収入と合わさって課税額が増えることがあります。
ご質問の「退職金とDCを同じ年に受け取ると税金が重くなるのか」が、最大の注意点です。退職金もDCの一時金も、同じ「退職所得控除」を使います。同じ年に両方を一時金で受け取ると、退職所得控除を共有することになり、控除を使い切ってしまって課税対象額が大きくなる場合があります。これが「同じ年に受け取ると税金が重くなる」と言われる理由です。
ご質問の「税金のかからない受け取り方の考え方」についてです。完全に税金をゼロにするのは難しいことが多いですが、税負担を抑える工夫はあります。代表的なのが、退職金とDCの受け取り時期をずらす方法です。退職所得控除には、一定期間内に複数の退職所得を受け取ると控除が調整されるルール(いわゆる「19年ルール」「5年ルール」などと呼ばれる、受け取り間隔に関する規定)があります。このルールを踏まえ、DCの一時金と会社の退職金を別の年に、適切な間隔を空けて受け取ることで、それぞれで退職所得控除を活かせる場合があります。ただし、このルールは制度改正で見直されることがあり、条件も複雑なため、必ず最新の情報を税理士や運営管理機関に確認してください。
ご質問の「退職金とDCはどちらを先に受け取るべきか」についても、上記の控除のルールと、ご自身の退職時期・勤続年数によって最適解が変わります。一般論として、控除を最大限活かすには受け取り順序とタイミングの設計が重要、とだけお伝えしておきます。
ご質問の「働きながら受け取れるか」についてですが、確定拠出年金は、原則60歳以降に受給開始でき、要件を満たせば働きながらでも受け取れます。ただし、受け取り方や時期によって税・社会保険への影響があります。
このテーマは、勤続年数・退職金額・DC残高・受け取り時期の組み合わせで最適解が変わる、非常に個別性の高い論点です。判断を誤ると数十万円〜数百万円の税負担差が生じることもあります。受け取り方を決める前に、退職金と確定拠出年金の両方を踏まえて、専門家に具体的な数字でシミュレーションしてもらうことを強くおすすめします。なお、税制は改正されることがあるため、受け取り時点の最新ルールでご確認ください。
渡辺 吉祐
株式会社アリスタゴラ・フィナンシャル・サービス
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