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山下 広祐さんの回答
退職金の預け先を選ぶ際は、「退職金専用定期のからくり」と「税・手数料の実質」を見抜くことが、損をしないための鍵になります。
退職金専用定期の高金利は、
(1)適用が短期間(多くは3か月程度)限定
(2)投資信託や保険とのセットが条件
のことがある、という構造です。
ここで注意したいのが、セット商品のコストです。高金利の定期で受け取る利息は、短期かつ税引き後(利息に約2割課税)で見ると、実はわずかです。一方、抱き合わせの投資信託や保険には、購入時手数料や信託報酬といったコストがかかり、それが定期の利息を上回ることもあります。「高金利でお得」に見えて、トータルでは手数料負けする恐れがあるのです。
確認すべきは、
(1)高金利の期間と、その後の金利
(2)セット条件の有無
(3)セット商品の手数料
(4)単独契約が可能か
の4つです。
税効率の観点では、当面使うお金は個人向け国債や通常の定期で安全に確保し(利子には課税されますが元本は確実)、運用に回す部分はNISAの非課税枠を使うのが効率的です。NISA口座なら運用益が非課税になります。
退職金そのものの受け取り時の税(退職所得控除など)の具体的な計算は税理士の領域です。短期金利のからくりに惑わされず、税・手数料の実質で預け先を選ぶ判断は、IFAなど専門家に相談すると安心です。
山下 広祐
株式会社Stock Fine
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小宮 健太さんの回答
退職金の預け先を探していて、銀行の「退職金専用定期預金」の高金利に惹かれつつ、裏があるのではと不安に思われているのですね。その警戒感は、とても正しいものです。専用定期のからくりを整理してお伝えします。
まず、ご質問の核心である「退職金専用定期預金のからくり」を説明します。退職金専用定期預金は、退職金を受け取った人を対象に、通常より高い金利(年3〜7%といった表示も見られます)を提示する商品です。一見とてもお得に見えますが、ここに注意すべき仕組みが2つあります。
第一に、高金利が適用される期間が非常に短いことです。多くの場合、高金利が適用されるのは「最初の3か月」など、ごく短い期間に限られます。たとえば「年7%」と表示されていても、それが3か月だけなら、実際に受け取る利息は、年利に換算した額の4分の1程度です。3か月を過ぎると、通常の低い金利に戻ります。つまり、「年7%」という数字の印象ほど、実際の利息は大きくないのです。
第二に、多くの場合、投資信託などとの「セット(抱き合わせ)」が条件になっていることです。高金利の定期預金を利用するには、同時に投資信託や保険を一定額購入することが条件、というケースが少なくありません。銀行の狙いは、この抱き合わせで販売する投資信託などの手数料収入にあります。定期預金の高金利は、いわば「客寄せ」で、本命は手数料の取れる運用商品の販売、という構図です。
では、ご質問の「退職金はどこに預けるのが正解か」についてです。専用定期そのものは、抱き合わせ条件さえなければ、短期間でも通常より高い利息が得られるので、利用価値が全くないわけではありません。ただし、抱き合わせの投資信託が手数料の高い商品だと、定期預金で得した以上に投資信託の手数料で損をすることがあります。利用するなら、抱き合わせ条件の有無と、セットの投資信託の手数料を必ず確認してください。
預け先全体としては、退職金を「使う時期」で分けて考えるのが正解です。すぐ使うお金・当面使わないお金を整理し、安全に置きたい部分は、退職金専用定期にこだわらず、通常の定期預金に投資をすると良いでしょう。1金融機関あたり預金保険で保護されるのは1,000万円とその利息までなので、金額が大きい場合は複数に分けることも検討します。
退職金専用定期の「高金利」という表示に惑わされず、期間と抱き合わせ条件を冷静に確認してください。預け先の設計に迷ったら、商品販売を目的としないIFAなどに相談されると、ご自身に合った配分が見えてきます。
小宮 健太
株式会社アリスタゴラ・フィナンシャル・サービス
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