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青木 光さんの回答
自分の場合いつFIREできそうか試算してみたいとのこと。FIREシミュレーションの考え方と、計算に使う項目を整理してお伝えします。
まず、FIREシミュレーションの目的は、「いつ、いくらの資産があればFIREできるか」「今のペースで何年後に達成できるか」を見積もることです。これを計算するには、いくつかの項目を組み合わせます。
ご質問の「どんな項目を使って計算するか」をお伝えします。主な項目は5つです。第一に、現在の資産額(運用に回せるお金)。第二に、毎月の積立額(これから投資に回せる金額)。第三に、想定利回り(運用で見込むリターン、長期の国際分散投資なら年3〜5%が現実的な目安)。第四に、目標とする生活費(FIRE後に月いくらで暮らすか)。第五に、目標資産額(4%ルールなら、年間生活費の25倍)です。
計算の流れはこうです。まず、目標資産額を決めます(年間生活費 × 25)。次に、現在の資産が、毎月の積立と想定利回りで運用された場合、何年後にその目標額に達するかを計算します。これで「あと何年でFIREできるか」が見えてきます。
具体例を挙げます。現在の資産1,000万円、毎月の積立15万円、想定利回り年5%、目標生活費月25万円(年300万円)の場合、目標資産額は7500万円です。この条件だと、おおよそ18〜20年程度で目標に到達する計算になります。積立額を増やしたり、目標生活費を下げたりすれば、達成は早まります。
サイドFIREのシミュレーションでは、これに「労働収入」の項目が加わります。FIRE後も月10万円を稼ぐなら、資産で賄う生活費はその分減り、目標資産額が下がるため、達成時期が早まります。
ご質問の「インフレや暴落を織り込む際の注意点」が、とても重要です。第一に、インフレです。物価が上がると、将来の生活費は今より増えます。たとえば年2%のインフレなら、20年後の生活費は今の約1.5倍です。シミュレーションでは、目標生活費を将来価値で見るか、想定利回りからインフレ率を差し引いた「実質利回り」で計算すると、より現実的になります。第二に、暴落です。利回りを一定と仮定する単純計算は、実際の相場変動を反映しません。特にリタイア直後の暴落(シーケンスリスク)は資産寿命に大きく影響するため、利回りをやや保守的に(4〜5%でなく3%程度に)見積もる、あるいは取り崩し率を3〜3.5%に抑える、といった安全マージンを取ることをおすすめします。
ご質問の「毎月いくら積み立てれば何年でFIREできるか」は、上記の項目を入れれば概算できます。一般的な傾向として、FIRE達成の主役は「利回り」より「入金力(積立額)」です。利回りを高く見込むより、積立額を増やすほうが、確実かつ早く達成に近づきます。
なお、FIREシミュレーションは、金融機関や公的機関が提供する資産運用シミュレーターを使うと、手軽に試算できます。ただし、ツールはあくまで一定の仮定に基づく概算で、将来を保証するものではありません。早見表的に「現在資産・積立額・利回り」を変えて複数パターンを試し、幅を持って見ておくのが現実的です。
より精緻なシミュレーション(税金・年金・インフレ・暴落リスクまで織り込んだもの)は、IFAなどの専門家と一緒に行うと、ご自身のFIRE計画の現実性を、より正確に把握できます。
青木 光
株式会社アリスタゴラ・フィナンシャル・サービス
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