退職金の税金・手取りシミュレーションは、退職金の額と勤続年数から、退職所得控除と所得税・住民税、手元に残る額を確かめる計算です。ここからは、計算のもとになる決まりを順に説明します。
退職金の手取り早見表(1,000万円・2,000万円・3,000万円)
退職金を一時金で受け取り、「退職所得の受給に関する申告書」を会社に出した場合の手取りと税金です。同じ退職金でも、勤続年数が長いほど税金は少なくなります。
| 退職金 | 勤続10年 | 勤続20年 | 勤続30年 | 勤続35年 | 勤続38年 | 勤続40年 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 500万円 | 492.4万円 | 500万円 | 500万円 | 500万円 | 500万円 | 500万円 |
| 1,000万円 | 949.3万円 | 984.9万円 | 1,000万円 | 1,000万円 | 1,000万円 | 1,000万円 |
| 1,500万円 | 1,376.3万円 | 1,437.2万円 | 1,500万円 | 1,500万円 | 1,500万円 | 1,500万円 |
| 2,000万円 | 1,797.1万円 | 1,861.1万円 | 1,959.4万円 | 1,988.7万円 | 2,000万円 | 2,000万円 |
| 2,500万円 | 2,198.0万円 | 2,280.3万円 | 2,391.5万円 | 2,444.3万円 | 2,465.5万円 | 2,477.3万円 |
| 3,000万円 | 2,588.8万円 | 2,676.2万円 | 2,813.8万円 | 2,868.7万円 | 2,900.7万円 | 2,922.0万円 |
| 4,000万円 | 3,370.4万円 | 3,457.7万円 | 3,610.7万円 | 3,687.1万円 | 3,733.0万円 | 3,763.6万円 |
| 5,000万円 | 4,116.2万円 | 4,217.8万円 | 4,392.2万円 | 4,468.7万円 | 4,514.5万円 | 4,545.1万円 |
| 退職金 | 勤続10年 | 勤続20年 | 勤続30年 | 勤続35年 | 勤続38年 | 勤続40年 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 500万円 | 7.6万円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| 1,000万円 | 50.7万円 | 15.1万円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| 1,500万円 | 123.7万円 | 62.8万円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| 2,000万円 | 202.9万円 | 138.9万円 | 40.6万円 | 11.3万円 | 0円 | 0円 |
| 2,500万円 | 302.0万円 | 219.7万円 | 108.5万円 | 55.7万円 | 34.5万円 | 22.7万円 |
| 3,000万円 | 411.2万円 | 323.8万円 | 186.2万円 | 131.3万円 | 99.3万円 | 78.0万円 |
| 4,000万円 | 629.6万円 | 542.3万円 | 389.3万円 | 312.9万円 | 267.0万円 | 236.4万円 |
| 5,000万円 | 883.8万円 | 782.2万円 | 607.8万円 | 531.3万円 | 485.5万円 | 454.9万円 |
退職金2,000万円の場合、勤続38年なら税金はかからず、勤続35年なら11万3,287円、勤続30年なら40万5,702円、勤続20年なら138万8,722円です。✓の付いた数字は、税金がかからない組み合わせです。早期退職の割増退職金や、公務員の退職手当も、この表と同じ計算です。
退職金の平均(相場)は、大学・大学院卒(管理・事務・技術職)の定年退職者で1,896万円です(厚生労働省「令和5年就労条件総合調査」。勤続20年以上・45歳以上の退職者で、退職一時金と退職年金の合計)。
所得税(復興特別所得税を含む)と住民税を差し引いた額を、0.1万円(1,000円)単位に四捨五入しています。役員として勤めた期間が5年以下の方、勤続5年以下の方は計算が変わります。ご自身の数字は、ページ上部の「退職金の手取り」で確かめられます。出典:厚生労働省「令和5年就労条件総合調査」
退職所得控除(退職金控除)とは:退職金はいくらまで税金がかからないか(早見表)
退職所得控除(「退職金控除」と呼ばれることもあります)は、退職金から勤続年数に応じて差し引ける額です。退職金がこの額以下なら、所得税も住民税もかかりません。退職金控除の計算は、勤続20年以下は「40万円×勤続年数」(最低80万円)、20年を超える場合は「800万円+70万円×(勤続年数−20年)」です。勤続38年なら2,060万円、勤続30年なら1,500万円までです。
| 勤続年数 | 退職所得控除額 (税金がかからない上限) |
|---|---|
| 1〜2年 | 80万円 |
| 3年 | 120万円 |
| 5年 | 200万円 |
| 10年 | 400万円 |
| 15年 | 600万円 |
| 20年 | 800万円 |
| 21年 | 870万円 |
| 25年 | 1,150万円 |
| 30年 | 1,500万円 |
| 35年 | 1,850万円 |
| 38年 | 2,060万円 |
| 40年 | 2,200万円 |
| 42年 | 2,340万円 |
| 45年 | 2,550万円 |
勤続年数は、1年に満たない端数を1年として数えます。37年2か月なら38年です。同じ年に受け取る退職金・企業年金の一時金・中小企業退職金共済・iDeCoなどの一時金は、払う会社や団体が別でも合計して計算します。このように合計するときの勤続年数は、いちばん長い勤続期間に、それと重ならない期間だけを足して数えます。iDeCo・企業型DCの一時金と合わせた計算は、iDeCo・企業型DCの受け取り方のシミュレーションでできます。
出典:国税庁「No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)」、国税庁「No.2735 同じ年に2か所以上から退職手当等が支払われるとき」
退職金にかかる税金の計算方法(所得税・住民税)
退職金(退職所得)は、給与とは別に税金を計算します。退職所得控除を差し引き、残りを2分の1にした額にだけ、所得税と住民税がかかります。長く勤めた人の老後の生活資金になるお金なので、税金が軽くなる仕組みです。
- 退職所得控除を差し引く 勤続20年以下は「40万円×勤続年数」(最低80万円)、20年を超える分は1年につき70万円で、「800万円+70万円×(勤続年数−20年)」です。
- 2分の1にする 控除後の金額の2分の1が「課税退職所得金額」です(1,000円未満は切り捨て)。
- 税率をかける 所得税は、課税される退職所得(税法では「課税退職所得金額」)に下の速算表の税率をかけて控除額を引き、復興特別所得税(所得税の2.1%)を足します。住民税は一律10%です。
計算の例:勤続30年で退職金2,000万円を受け取る場合
- 退職所得控除:800万円+70万円×(30年−20年)=1,500万円
- 課税退職所得金額:(2,000万円−1,500万円)×1/2=250万円
- 所得税:250万円×10%−9万7,500円=15万2,500円。復興特別所得税を足して15万5,702円
- 住民税:250万円×10%=25万円
- 手取り:2,000万円−40万5,702円=1,959万4,298円
退職金の税率(所得税の速算表。課税される退職所得に使う)
| 課税退職所得金額 | 税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 195万円未満 | 5% | 0円 |
| 195万〜330万円未満 | 10% | 9万7,500円 |
| 330万〜695万円未満 | 20% | 42万7,500円 |
| 695万〜900万円未満 | 23% | 63万6,000円 |
| 900万〜1,800万円未満 | 33% | 153万6,000円 |
| 1,800万〜4,000万円未満 | 40% | 279万6,000円 |
| 4,000万円以上 | 45% | 479万6,000円 |
役員として勤めた期間が5年以下の人の退職金は、2分の1にしません。役員以外でも勤続5年以下の場合は、控除後の金額のうち300万円を超える部分は2分の1にしません。障害者になったことが直接の原因で退職した場合は、退職所得控除が100万円増えます。退職金の住民税の内訳は市町村民税6%・道府県民税4%で、政令指定都市にお住まいの方も同じです(給与や年金にかかる住民税は、政令指定都市では8%・2%ですが、退職金は分けて計算するため6%・4%のままです)。2027年1月からは、所得税に上乗せされる税が復興特別所得税1.1%と防衛特別所得税1%になりますが、合計は2.1%のままで、手取りは変わりません。
退職金の確定申告が必要な場合と「退職所得の受給に関する申告書」
退職金を受け取るときは、会社に「退職所得の受給に関する申告書」を出します。出しておくと、会社が退職所得控除を入れて正しい税金を差し引くので、退職金のために確定申告をする必要はありません。
申告書を出さないと、退職金の額に20.42%をかけた所得税が差し引かれます。退職金2,000万円なら408万4,000円です。差し引かれすぎた分は、受け取った年の翌年1月1日から5年の間に確定申告(還付申告)をすると戻ります。2021年に受け取った分なら、2026年12月31日までです。
申告書を出していても、確定申告をすると戻ることがあります。退職した年の給与などが少なく、基礎控除や社会保険料控除を引ききれないときは、残りを退職金の所得から差し引けるためです。医療費控除などで確定申告をするときは、退職金の所得も書きます。
すでに受け取った退職金の税金を確かめたいときは、会社から届いた「退職所得の源泉徴収票・特別徴収票」の「源泉徴収税額」(所得税)と「特別徴収税額」(住民税)の欄を、このページの計算と比べます。2013年以後に受け取った退職金なら、勤続5年を超えていれば、いまと同じ計算です。
前にも退職金を受け取った方は、控除が減ることがある(5年ルール)
年をずらして2つ以上の退職金を受け取ると、それぞれで退職所得控除を使えます。ただし、今回の退職金を受け取る年より前の4年の間(今年と合わせて5年)に別の退職金を受け取っていて、その勤続期間を今回の勤続年数にも数えている場合は、重なる年数の分だけ控除が減ります。グループ会社へ転籍し、前の会社の期間を通して数える場合などです。これを5年ルールと呼びます。ふつうの転職で、前の会社の期間を今回の勤続年数に数えていなければ、重なりはないので控除は減りません。
年は、受け取った日からではなく暦年(1月〜12月)で数えます。2022年に前の会社の退職金を受け取ったなら、2027年以後に受け取る退職金は調整されません。差し引いた後も、控除は最低80万円残ります。前の退職金が少なく、その時の控除を使い切っていなかった場合は、使った分に当たる年数だけを重なりとして差し引きます。このページの計算には、5年ルールの調整は入っていません。
iDeCo・企業型DCの一時金と退職金の間にも、同じような調整があります。iDeCoなどが先なら前年以前9年以内(2026年以後に受け取った分。いわゆる10年ルール)、退職金が先なら19年以内(19年ルール)です。受け取る年をずらすか、年金で受け取るかで税金と保険料がどう変わるかは、iDeCo・企業型DCの受け取り方のシミュレーションで、このページで入れた退職金の額と勤続年数を引き継いで比べられます。
退職金は一時金と年金、どちらで受け取るか(税金と保険料)
企業年金(確定給付企業年金・企業年金基金など)は、一時金と年金を選べることがあります。年金で受け取ると、受け取る間も会社や基金が運用を続けるため、受け取る総額は一時金より多くなるのが一般的です。ただし、税金と保険料のかかり方が違います。
| 一時金で受け取る | 年金で受け取る | |
|---|---|---|
| 税金の計算のしかた(所得の区分) | 退職所得(退職所得控除を使い、残りの2分の1に課税) | 雑所得(公的年金と合わせて、公的年金等控除を引いて課税) |
| 税金がかかる時期 | 受け取るときに1回 | 受け取る年ごと |
| 国民健康保険料・介護保険料などへの影響 | 計算に入らない | 年金の額に応じて保険料が増え、保険料の軽減から外れることもある |
| 受け取る総額 | 一時金の額 | 一時金より多くなるのが一般的(給付利率の分) |
退職金が退職所得控除額に収まるなら、一時金で受け取ると税金はかかりません。一方、年金で受け取ると、公的年金と合わせて毎年の税金と保険料がかかるため、受け取る総額は多くても、手取りでは一時金に届かないことがあります。退職所得控除を超える部分を中心に年金にする「併用」もあります。
どれがよいかは、退職金の額と勤続年数、公的年金の額、受け取る年齢で変わります。ページ上部の「一時金と年金」で、会社の案内にある額を入れると、手取りの合計と、年金で受け取ることを利回りに直した値が分かります。
退職後の健康保険と住民税:退職金の手取りとは別にかかるお金
退職したあとの健康保険は、国民健康保険、会社の健康保険の任意継続(退職後2年まで)、家族の健康保険の扶養のどれかです。任意継続の保険料は、退職したときの給与をもとに決まり(上限があります)、在職中は会社が払っていた分も自分で払います。国民健康保険の保険料は前の年の所得で決まるため、退職した翌年度は、在職中の給与をもとにした保険料になります。
退職金(一時金)は、国民健康保険・後期高齢者医療の保険料にも、翌年の住民税にも入りません。一方、退職した年の給与にかかる住民税は、翌年に納めます。退職した翌年は収入が減っても、前の年の給与にかかる住民税と保険料の支払いが続くので、退職金の手取りとは別に、その1年分を見込んでおきます。1月〜4月に退職する場合は、給与にかかる住民税の残り(5月分まで)が、最後の給与か退職金からまとめて差し引かれることがあり、そのときは振り込まれる額が計算した手取りより少なくなります。
企業年金を年金で受け取ると、その額は保険料の計算に入ります。ページ上部の「一時金と年金」では、健康保険を「国民健康保険」「任意継続2年のあと国民健康保険」「会社の健康保険・家族の扶養など」から選んで比べられます。
出典:国税庁「No.1420」、全国健康保険協会「任意継続」、各市区町村の国民健康保険の案内
よくある質問
- 退職金は、いくらまで非課税(税金がかからない)ですか?
- 退職所得控除額までは、所得税も住民税もかかりません。勤続20年以下は「40万円×勤続年数」(最低80万円)、20年を超える場合は「800万円+70万円×(勤続年数−20年)」です。勤続30年なら1,500万円、勤続38年なら2,060万円までです。
- 退職金2,000万円にかかる税金は、いくらですか?
- 勤続年数で変わります。勤続38年なら税金はかからず、勤続35年なら11万3,287円、勤続30年なら40万5,702円、勤続20年なら138万8,722円です(所得税と住民税の合計。申告書を出した場合)。
- 退職金1,000万円の手取りは、いくらですか?
- 勤続23年以上なら税金はかからず、1,000万円がそのまま手取りです。勤続20年なら984万8,950円(税金15万1,050円)、勤続10年なら949万3,248円(税金50万6,752円)です。
- 退職金3,000万円の手取りは、いくらですか?
- 勤続38年なら2,900万6,738円(税金99万3,262円)、勤続35年なら2,868万7,328円(税金131万2,672円)、勤続30年なら2,813万8,131円(税金186万1,869円)です。
- 退職金1,200万円・4,000万円の手取りは、いくらですか?
- 1,200万円は、勤続26年以上なら税金はかかりません。勤続25年なら1,196万2,238円(税金3万7,762円)、勤続20年なら1,169万5,348円(税金30万4,652円)です。4,000万円は、勤続38年なら3,733万35円(税金266万9,965円)、勤続35年なら3,687万1,259円(税金312万8,741円)、勤続30年なら3,610万6,631円(税金389万3,369円)です。
- 退職金100万円・50万円に、税金はかかりますか?
- 勤続3年以上なら、100万円に税金はかかりません(控除が120万円以上)。勤続2年以下は控除が80万円なので、超えた20万円の半分に税金がかかり、所得税と住民税の合計1万5,105円、手取りは98万4,895円です。50万円は、勤続年数にかかわらず控除(最低80万円)の内側なので、税金はかかりません。
- 退職金の税率は、何パーセントですか?
- 所得税の税率は5〜45%、住民税は10%ですが、かかるのは退職所得控除を引いて2分の1にした後の額だけです。退職金に対する税金の割合は、退職金2,000万円・勤続30年で約2.0%、3,000万円・勤続35年で約4.4%です。
- 退職金の所得税は、いくらですか?
- 退職所得控除を引いて2分の1にした額(課税される退職所得)に速算表の税率をかけ、復興特別所得税(2.1%)を足した額です。退職金2,000万円なら、勤続30年で15万5,702円、勤続35年で3万8,287円です。「退職所得の受給に関する申告書」を出さないと、退職金の20.42%がいったん差し引かれ、差し引かれすぎた分は確定申告で戻ります。
- 退職金の住民税は、いくらですか?
- 退職所得控除を引いて2分の1にした額(課税される退職所得)の10%です。退職金2,000万円なら、勤続35年で7万5,000円、勤続30年で25万円です。受け取るときに差し引かれ、翌年の住民税には入りません。
- 退職金の税金を少なくする方法はありますか?
- 税金の額そのものは、「退職所得の受給に関する申告書」を出しても出さなくても変わりません。ただ、出さないと退職金の20.42%がいったん差し引かれ、取り戻すには確定申告が必要です。まず申告書を会社に出しておきましょう。税金と保険料の合計を減らせる可能性があるのは、次の2つです。企業年金を一時金と年金で選べる方は、一時金を退職所得控除の範囲に近づけ、超える分を年金で受け取る「併用」で、手取りの合計が多くなることがあります。iDeCo・企業型DCがある方は、受け取る年をずらすと控除をそれぞれ使えることがあります。どれが少ないかは額と年数で変わるので、ページ上部の「一時金と年金」と、iDeCo・企業型DCの受け取り方のシミュレーションで比べられます。
- 退職金を受け取った翌年、住民税は高くなりますか?
- 退職金の分で、翌年の住民税が増えることはありません。退職金の住民税は、受け取るときに差し引かれて終わります。翌年に納める住民税は、退職した年の給与などにかかる分です。1月〜4月に退職した場合は、5月までに納める残りの住民税が、最後の給与や退職金からまとめて差し引かれます。退職金(一時金)は、国民健康保険料の計算にも入りません。
- 家族が退職金を受け取ると、配偶者控除や健康保険の扶養から外れますか?
- 税金では、外れることがあります。配偶者が退職金を受け取ると、その年は退職金の所得(退職所得控除を引いて2分の1にした額)が所得税の合計所得金額に入り、所得税の配偶者控除を受けられないことがあります。住民税では、受け取るときに差し引かれた退職金の所得は合計所得金額に入りません。健康保険の扶養は、これからの年収の見込みで決まるため、一時金で受け取った退職金だけで外れることは通常ありません。くわしくは、加入している健康保険に確かめてください。
- すでに受け取った退職金の税金が正しかったか、確かめられますか?
- 確かめられます。退職金の額と勤続年数を入れると、会社から届いた「退職所得の源泉徴収票・特別徴収票」の「源泉徴収税額」(所得税)と「特別徴収税額」(住民税)と比べられます。2013年以後に受け取った退職金なら、勤続5年を超えていれば、いまと同じ計算です。違うときは、退職金を払った会社か税務署に確かめられます。
- 差し引かれすぎた退職金の税金は、いつまでに確定申告すれば戻りますか?
- 受け取った年の翌年1月1日から5年の間です。2021年に受け取った分なら、2026年12月31日まで確定申告(還付申告)ができます。
- 振り込まれた退職金が、計算した手取りより少ないのはなぜですか?
- 1月〜4月に退職すると、給与にかかる住民税の残り(5月分まで)が、最後の給与か退職金からまとめて差し引かれることがあります。また、「退職所得の受給に関する申告書」を出していないと、退職金の20.42%が所得税として差し引かれます。
- 退職金について、確定申告は必要ですか?
- 「退職所得の受給に関する申告書」を会社に出していれば、退職金のために確定申告をする必要はありません。ただ、退職した年の給与などが少なく、基礎控除や社会保険料控除を引ききれないときは、確定申告をすると残りを退職金の所得から差し引け、差し引かれた所得税の一部が戻ります。医療費控除などで確定申告をするときは、退職金の所得も書きます。申告書を出していない場合は、確定申告をすると差し引かれすぎた分が戻ります。
- 退職所得控除の5年ルールとは何ですか?10年ルールへの改正はいつからですか?
- 退職金を受け取る年の前年以前4年以内に、ほかの退職金などを受け取っていると、勤めた期間が重なる分の控除が差し引かれるルールです(5年あければ調整されません)。今回の勤続年数に、前の退職金の勤続期間も数えている場合(グループ会社への転籍など)だけが対象で、ふつうの転職のように期間が重ならなければ、控除は減りません。前に受け取ったのがiDeCoや企業型DCの一時金で、2026年1月1日以後に受け取ったものなら、この期間が9年以内に延びました(10年ルール)。2025年までに受け取ったiDeCoなどの一時金は、4年以内のままです。
- 2026年(令和8年)に、退職所得控除は変わりましたか?
- 控除額の計算(勤続20年までは1年40万円、20年を超える分は1年70万円)は変わっていません。2026年1月から変わったのは、iDeCoや企業型DCの一時金を先に受け取った場合の調整期間(4年以内から9年以内)です。2027年1月からは、所得税に上乗せされる税が復興特別所得税1.1%と防衛特別所得税1%になりますが、合計は2.1%のままで、手取りは変わりません。
- iDeCoや企業型DCの一時金も受け取ります。退職金の税金はどうなりますか?
- 同じ年に受け取ると、合わせた額に、勤めた期間と掛金を出した期間を合わせた年数(重なる期間は1回だけ数える)の退職所得控除を使います。年をずらすとそれぞれの控除を使えますが、退職金が先なら19年以内、iDeCoなどが先なら9年以内に受け取ると、重なる期間の控除が差し引かれます。どちらが少ないかは額と年数で入れ替わるので、iDeCo・企業型DCの受け取り方のシミュレーションで、年金で受け取る場合も含めて比べられます。
- 退職金を年金で受け取ると、税金はどうなりますか?
- 年金で受け取る分は雑所得になり、公的年金と合わせた額から公的年金等控除を引いて、毎年の所得税・住民税がかかります。国民健康保険料や後期高齢者医療の保険料も、年金の額に応じて増えます。
- 退職金に、社会保険料はかかりますか?
- 退職金(一時金)からは、健康保険料や厚生年金保険料は差し引かれません。退職後の国民健康保険料、後期高齢者医療の保険料、65歳以上の介護保険料も、一時金で受け取った退職金は計算に入りません。年金で受け取る分は、どれも計算に入ります。収入の少ない年に年金を受け取ると、国民健康保険料の軽減や、住民税がかからない扱いから外れることもあります。
- 亡くなった方の退職金を家族が受け取ると、税金はどうなりますか?
- 亡くなった後に支給が決まった退職金(亡くなってから3年以内に支給が確定したもの)は、所得税・住民税ではなく相続税の対象です。「500万円×法定相続人の数」までは、相続税がかかりません。