iDeCo・企業型DC(確定拠出年金)の受け取り方シミュレーション

一時金・年金・併用、何歳で受け取るか。

税金・保険料・手数料を引いた手取りと、いつ入るかを比べます。退職金との順番(10年・19年ルール)や、70歳まで掛ける場合も計算できます。

2026年10月15日 更新監修 平 行秀(アドバイザーナビ株式会社 代表取締役社長)

まず確かめる:一時金に税金はかかるか

企業型DCの方も、そのまま入れられます(このページでは「iDeCo」とまとめて書きます)。の数字を直すと、すぐ計算します。

万円

いまの残高で計算できます(年1回届く「お取引状況のお知らせ」や、会社のDCのサイトで分かります)。両方あるときは合計で。

年

企業型DCは、会社が掛金を出していた年数です。iDeCoと企業型DCに同時に掛けていた年は1年と数えます。運用だけの年は数えません。

iDeCo・企業型DCとは別に受け取る(受け取った)退職金・共済金

会社の退職金、公務員の退職手当、小規模企業共済・中退共の一時金などです。

一時金で受け取っても、税金はかかりません(退職金・共済金がない場合)。

掛金20年なら、800万円までは税金がかかりません(この枠を、退職所得控除といいます)。入れた800万円は、枠いっぱいの額です。一時金は、国民健康保険などの保険料の計算には入りません。

税金のかからない枠の中 800万円

あなたに合う計算へ

くわしい計算

上の「まず確かめる」で入れた額と年数は、そのまま入っています。このページでは、企業型DCもまとめて「iDeCo」、共済金もまとめて「退職金」と書きます。3つの計算は、上のボタンで切り替えられます。

iDeCo・企業型DCを、一時金・年金・併用で受け取ったときの手取りを比べます。退職金・共済金がない方向けの計算です(ある方は「退職金との順番」へ)。の数字を直すと、すぐ計算します。

STEP 1iDeCo・企業型DC
万円

いまの残高でかまいません。受け取るまでの値動きは入れずに計算します。

掛金を出した年数と、受け取り始める年齢
年
歳

受け取れるのは60〜75歳です。60歳の時点で加入していた期間が10年に満たないと、受け取り始められる年齢が61〜65歳に遅くなります。

運用だけしていた期間・60歳以上で加入した方
年

受け取り始められる年齢は、掛金を出した期間と運用だけしていた期間を合わせた年数で決まります。税金の控除は、掛金を出した年数だけで計算します。

STEP 2年金で受け取る場合
年

5年以上20年以下で、選べる年数は金融機関の決まりで違います。

1年に受け取る回数

受け取るたびに440円の手数料がかかります。選べる回数は金融機関で違います。

併用するときの、一時金の割合

一部を一時金、残りを年金で受け取る方法です。「控除の額まで」は、税金のかからない枠(控除)の額までを一時金にし、残りを年金にします。扱いのない金融機関もあります。

STEP 3公的年金・働き方・健康保険
ご自身の公的年金(老齢年金)
万円
歳

ねんきん定期便の「老齢年金の見込額」(年額)を入れます。夫や妻の年金は入れません。国民年金基金や会社の企業年金を年金で受け取る方は、その年額も足します。月額しか分からないときは12倍します。

60歳以降の給与(再雇用・パートなど)
万円

働かない方は0のままにします。働いている年に年金で受け取る分は、給与と合わせて税金がかかります。

万円

売上から経費を引いた年額です。自営業でない方は0のままにします。働く最後の年齢は、上の「働く最後の年齢」の欄に入れます。健康保険は、下で選んだもので計算します。

働いていない年の健康保険

国民健康保険と、75歳からの後期高齢者医療(だれでも75歳から)の保険料は、年金の額で変わります。任意継続は、iDeCoを受け取り始める年齢から2年までとして、その後は国民健康保険で計算します。家族の扶養は、年金などの収入が年180万円以上になると外れます(扶養してくれている家族が会社の健康保険をやめたときや、75歳になったときも外れます)。分からないときは国民健康保険のままにします。

夫や妻を扶養している方(配偶者控除)

夫や妻の扶養に入っている方は、チェックしません。目安(2026年分):配偶者の収入が公的年金だけなら、配偶者が65歳以上で年172万円以下、65歳未満で年122万円以下。

この条件の答え引かれる額が最小は「全部を一時金で」引かれる額 440円

答え:手元に多く残る受け取り方

税金・保険料・手数料が最も少ないのは、全部を一時金で受け取る場合です。

60歳ごろ、手取り約800万円が一度に入ります。

いまは入力例(800万円・掛金20年など)の答えです。上の欄をご自身の数字に直すと、答えが切り替わります。前提:退職金・共済金なし/健康保険は国民健康保険(75歳からは後期高齢者医療)/保険料は東京都23区の率/値動きなし/税金は2028年からの決まり(2026・27年は少し少なめ)。計算方法と前提

受け取り方ごとの、引かれる額

棒の長さは、引かれる額です(短いほど少ない)。

  • 全部を一時金で60歳に受け取る
    引かれる額 440円手元に残る額 約800万円
  • 全部を年金で60〜69歳に受け取る
    引かれる額 約112.7万円手元に残る額 約687.3万円

引かれる税金・保険料・手数料と、手元に残る額

受け取る総額は、どの受け取り方も800万円です(受け取るまでと、年金で受け取る間の値動きは入れていません)。

受け取り方税金保険料(増える分)手数料手元に残る額
全部を一時金で一時金 800万円引かれる額が最小税金0円保険料(増える分)0円手数料440円手元に残る額799万9,560円
全部を年金で年金 年80万円×10年税金51万9,000円保険料(増える分)59万885円手数料1万7,600円手元に残る額687万2,515円

引かれる額は440円で、手元に残るのは799万9,560円です。「全部を年金で」より、手元に約112.7万円多く残ります。「全部を年金で」の引かれる額の内訳は、税金 約51.9万円・保険料 約59.1万円・手数料 約1.8万円です。全部を一時金にしても、掛金20年の税金のかからない枠(控除・800万円)に収まるため、税金はかかりません。受け取る額が税金のかからない枠(800万円)の中なので、「控除の額まで」の併用は、全部を一時金で受け取るのと同じです。

全部を年金で受け取る場合の、年ごとの手取り

年齢手取り引かれる額年金で受け取る額公的年金給与
60歳79万8,240円1,760円80万円——
61歳79万8,240円1,760円80万円——
62歳79万8,240円1,760円80万円——
63歳79万8,240円1,760円80万円——
64歳79万8,240円1,760円80万円——
65歳57万6,263円22万3,737円80万円180万円—
66歳57万6,263円22万3,737円80万円180万円—
67歳57万6,263円22万3,737円80万円180万円—
68歳57万6,263円22万3,737円80万円180万円—
69歳57万6,263円22万3,737円80万円180万円—

65歳から公的年金と合わせて税金がかかるため、引かれる額が年によって変わります。引かれる額は、増える所得税・住民税・保険料と、受け取りの手数料(年4回×440円)です。

※受け取った一時金は使わずに置いておく(利息0)として、手取りを足して比べています。受け取るまでと、年金で受け取る間の値動きは入れていません。税金は所得税(復興特別所得税を含む)と住民税、保険料は国民健康保険・後期高齢者医療の所得割と均等割(軽減が外れる分を含む)の増える分の目安です。65歳以上の介護保険料の段階の変化は入れていません(年金で受け取る方の負担を増やす向きに働きます)。計算方法と前提

このシミュレーションを元に、プロに聞いてみませんか?

iDeCoを受け取ったあとは、入ってくるお金の分け方を決めます。

シミュレーションで分かるのは、受け取り方と受け取る年で、税金・保険料・手数料がいくら変わり、いつ、いくら入るかです。同じ額を受け取っても、年金の額やこれからの支出によって、生活費として置いておく額や、運用に回してよい額は変わります。IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)は、特定の銀行や証券会社に所属せず、資産運用の相談を受ける専門家です。受け取ったお金を、ほかの預貯金や退職金と合わせて、どう分けて置くかを相談できます。

短い質問(任意):いまのところ、どの受け取り方にしますか?

図1計算で分かること、人と決めること

シミュレーションで分かったこと

  • 60歳ごろ、手取り約800万円が一度に入ります
  • iDeCo800万円(掛金20年)は、「全部を一時金で」の引かれる額が最も少なく、手元に残るのは799万9,560円

これから決めること

  • 受け取ったお金のうち、生活費として預貯金に置いておく額
  • 住まいの修繕や家族への援助など、数年以内に使うお金をどう分けるか
  • 運用に回すなら、いくらを、どのくらいの値動きまでで持つか
  • 運用に回すなら、NISAとNISA以外の口座をどう使い分けるか

IFAと、あなたの数字で確かめる

計算では決まらない、NISA(年360万円まで)とNISA以外の口座への入れ方や、どの順番で使うかを、年金や退職金、いまある預貯金・投資まで含めて一緒に決めていけます。

受け取り方を決めることと、受け取ったお金の使い道を決めることは別です。

60歳ごろに入る約800万円を、使う分・備え・増やす分にどう分けるか、IFAと一緒に考えられます

iDeCoで受け取るお金を、いまある預貯金と合わせて、使う時期ごとに分けて考えられます。

\ 質問に答えると、登録IFA400名以上からAIが1名を推薦 /

あなたに合うIFAを探す無料・約3分

相談するかは、推薦を見てから決められます。登録IFAは全員が金融庁に登録。累計1万人以上が資産運用ナビを通じて相談しています。相談は何度でも無料です。

図2同じ額を受け取っても、置き方は変わる

どちらも、iDeCoを一時金で800万円受け取る

Aさん

  • 65歳まで再雇用で働き、給与で生活できる
  • 会社の退職金も受け取った
  • 住宅ローンはない

受け取った後生活費は給与でまかなえるので、800万円の多くを、数年以上使わないお金として考えられる

Bさん

  • 60歳で退職し、公的年金まで5年ある
  • 会社の退職金はない
  • 預貯金はiDeCoの分がほとんど

受け取った後公的年金が始まるまでの5年分の生活費を、800万円から出していく

生活費として置いておく額も、運用に回せる額も、同じにはなりません。公的年金が始まるまでの生活費や、ほかの資産の有無で、受け取ったお金の分け方は変わります。

図3IFAに相談すると、確かめられること
  • 使う時期受け取ったお金のうち、いつ使うお金がいくらあるか
  • 値動き運用に回す分が、どのくらい下がることがあるか
  • 現金にしやすさ必要なときに、すぐ現金に換えられるか
  • 口座の使い分けNISAとNISA以外の口座に、どの順番で入れるか

正解をIFAが決める相談ではありません。判断に必要な材料をそろえて、「まとまったお金をどうすればいいか分からない」を、「自分の場合は、こう分けて置く」という計画に変えていく相談です。

質問に答えると、その場で相談が始まりますか?
いいえ。答えたあと、AIがあなたに合うIFAを1名推薦します。相談を申し込んだら、面談の日時をそのIFAと決めます。
相談すると、金融商品を買わなければいけませんか?
いいえ。購入するかどうかは、ご自身で決めます。受け取ったお金の分け方や置き場所を整理するための相談もできます。
図4相談までの流れ
  1. 1質問に答える(約3分)相談したいことを選ぶ
  2. 2AIが1名推薦あなたに合うIFAを、推薦の理由や経歴とあわせて
  3. 3見てから決める相談するかは、推薦を見てから決められます
  4. 4オンラインで面談移動せずに、ご自宅から話を聞けます

相談するかは、推薦を見てから決められます

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iDeCo・企業型DCの受け取り方シミュレーションは、確定拠出年金を一時金・年金・併用のどれで、何歳で受け取るかによって、税金・保険料・手数料がいくら変わるかを確かめる計算です。ここからは、受け取り方の種類、一時金と年金の税金、退職金との順番、受け取れる年齢、2026年12月からの改正、手続きと手数料を説明します。

iDeCo・企業型DCの受け取り方は4つ

iDeCo(個人型確定拠出年金)と企業型DC(会社の確定拠出年金)は、60歳から75歳までの間に、次のどれかで受け取ります。受け取ると、その日の値段で中の商品が売られ、現金で振り込まれます。

受け取り方税金国民健康保険料など手数料
一時金(一度に全部)退職所得。掛金を出した年数に応じた控除があり、超えた分の半分に課税計算に入らない1回440円
年金(5〜20年に分けて)公的年金と合わせた雑所得。毎年課税年金の額に応じて増える受け取るたびに440円
併用(一部を一時金、残りを年金)一時金の分は退職所得、年金の分は雑所得年金の分だけ増える一時金1回+年金の回数
受け取りを遅らせる受け取るまで税金はかからない—口座の手数料(毎月)

年金で受け取る間も、残りのお金は運用が続きます。併用は、扱いのない金融機関もあります。企業型DCの受け取り方は、会社の規約で決まります。

出典:iDeCo公式サイト「iDeCoの加入資格・掛金・受取方法等」

iDeCoを一時金で受け取るときの税金(早見表)

一時金(一括受け取り)で受け取ると、「掛金を出した年数×40万円」(20年を超える分は1年70万円、最低80万円)までは、税金がかかりません(退職所得控除)。超えた分は、その半分に所得税と住民税がかかります。掛金20年で1,000万円なら、税金は15万1,050円です。

一時金は「退職所得」になり、ほかの所得と分けて計算します。控除は、20年以下は「40万円×年数」(最低80万円)、20年を超えると「800万円+70万円×(年数−20年)」です。

掛金を出した年数
iDeCo・企業型DCを一時金で受け取るときの税金(所得税と住民税の合計。縦が受け取る額、横が掛金を出した年数)
受け取る額掛金5年
控除200万円
掛金10年
控除400万円
掛金15年
控除600万円
掛金20年
控除800万円
掛金25年
控除1,150万円
掛金30年
控除1,500万円
100万円0円0円0円0円0円0円
200万円0円0円0円0円0円0円
300万円7.6万円0円0円0円0円0円
500万円22.7万円7.6万円0円0円0円0円
800万円93.2万円30.5万円15.1万円0円0円0円
1,000万円154.1万円50.7万円30.5万円15.1万円0円0円
1,500万円345.6万円123.7万円93.2万円62.8万円26.4万円0円
2,000万円564.1万円202.9万円169.4万円138.9万円85.6万円40.6万円
2,500万円807.6万円302.0万円258.3万円219.7万円161.7万円108.5万円
3,000万円1,061.8万円411.2万円367.5万円323.8万円247.3万円186.2万円

iDeCoで1,000万円を一時金で受け取る場合、掛金20年なら税金は15万1,050円、掛金25年以上ならかかりません。掛金5年で500万円なら22万6,575円です(掛金5年以下で、控除後の額が300万円を超えると、超えた分は半分にしません)。2,000万円なら、掛金20年で138万8,722円、30年で40万5,702円です。濃紺の「0円」は、控除の中に収まる組み合わせです。

税金のかからない確定拠出年金の受け取り方は、控除の中に収めること

  • 一時金が控除の中に収まるなら、一時金で受け取れば税金はかかりません。
  • 会社の退職金と同じ年に受け取ると、控除は2つを合わせて1つになります。退職金で控除を使い切りそうなら、受け取る年をずらします(10年ルール・19年ルール)。
  • 控除を超える分だけ年金で受け取る方法もあります。ただし年金の分は、毎年の税金と保険料がかかります。

受け取るときは、「退職所得の受給に関する申告書」を出します。出さないと、一時金の20.42%が所得税として差し引かれ、確定申告で精算することになります。

ご自身の数字は、ページ上部の「まず確かめる」ですぐ分かります。出典:国税庁「No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)」、日本インベストメント・ソリューション・サポート「給付金をお受け取りになる方」(掛金の払込期間を勤続年数とみなし、5年以内は短期退職手当等)

iDeCoを年金で受け取るときの税金と保険料

年金で受け取る分は「雑所得(公的年金等)」になり、公的年金と合わせた額から公的年金等控除を差し引いて、毎年の所得税・住民税がかかります。年金で受け取る間に運用で増えた分も、受け取るときに同じく雑所得になります。

65歳になる前と後で変わる控除

公的年金等控除は、その年の12月31日に65歳未満なら最低60万円、65歳以上なら最低110万円です。60〜64歳でほかに年金がなければ、年60万円までは所得が0円になります。65歳から公的年金を受け取り始めると、iDeCoの年金と合わせた額に税金がかかるため、増える税金はそこから大きくなります。

公的年金を繰り下げる間の「つなぎ」に年金で受け取る

公的年金(老齢年金)は、66歳から75歳までの間に受け取り始める時期を遅らせると、1か月ごとに0.7%増えます(最大84%)。繰り下げる間の生活費として、iDeCoを年金で受け取る方法もあります。65歳以上で公的年金をまだ受け取っていない年は、iDeCoの年金が年110万円までなら公的年金等控除の中に収まり、雑所得は0円です。ご自身の数字は、ページ上部の「受け取り方」で、公的年金を受け取り始める年齢を70歳などにして確かめられます。

出典:日本年金機構「年金の繰下げ受給」

働いている間に受け取ると

再雇用などで給与がある年は、iDeCoの年金が給与と合わせて課税されます。給与と年金の両方がある人は、所得金額調整控除(最大10万円)が差し引かれます。会社の健康保険に入っている間は、保険料は給与で決まり、iDeCoの年金の額では変わりません。

国民健康保険・後期高齢者医療の保険料

退職して国民健康保険に入ると、年金の額に応じて保険料(所得割)が増え、保険料の軽減から外れることもあります。75歳からは、会社の健康保険や家族の扶養に入っていた人も含めて、だれでも後期高齢者医療に入り、保険料は年金の額で変わります。家族の扶養に入っている人は、年金などの収入が年180万円以上(60歳以上の場合)になると扶養から外れます。一時金は、保険料の計算に入りません。

例:iDeCo1,000万円を60歳から年金で受け取る場合(国民健康保険・一人暮らし・公的年金は65歳から年180万円)、増える税金と保険料の合計は、5年なら114万700円、10年なら135万1,185円、20年なら192万9,370円です。一時金なら(掛金20年)税金は15万1,050円です。

出典:国税庁「No.1600 公的年金等の課税関係」

一時金と年金はどっちが得か(3つの型)

どの受け取り方がおすすめかは人によって変わりますが、おおまかに3つの型に分かれます。

iDeCoを受け取るときに引かれる額(税金・保険料・手数料)。少ない方を濃紺で示しています
型と例全部を一時金全部を年金控除の額まで一時金、残りを年金
1. 控除の中に収まるiDeCo 800万円・掛金20年440円112.7万円—全部が控除の中
2. 控除を超えるiDeCo 1,500万円・掛金20年62.9万円261.7万円100.9万円
3. 退職金で控除を使い切り、年金で受け取る間も働く退職金3,000万円・勤続38年(60歳)+iDeCo 1,500万円・掛金20年、64歳まで給与200万円(会社の健康保険)176.6万円160.0万円186.6万円

どれも一人暮らしで、1と2は国民健康保険、3は64歳まで会社の健康保険(その後は国民健康保険)です。公的年金は65歳から年180万円、iDeCoは60歳から受け取る計算です。年金は、1と2は10年、3は5年(60〜64歳、働いて会社の健康保険に入っている間)に分けて受け取ります。3の「全部を一時金」と「控除の額まで」は、退職金の翌年(61歳)以降に受け取る場合です。

年金で受け取る方が引かれる額が少なくなるのは、退職金で控除を使い切っていて、年金で受け取る間も保険料が増えない人(働いて会社の健康保険に入っている人など)です。国民健康保険に入る人や、家族の扶養に入っている人(年金を足して収入が年180万円以上になると扶養から外れます)は、一時金で受け取る方が引かれる額が少ないことが多くあります。

ご自身の数字は、ページ上部の「受け取り方」の計算で比べられます。

退職金とiDeCoの受け取り順(退職所得控除の10年ルール・19年ルール)

iDeCoの一時金と会社の退職金は、同じ年に受け取ると、控除(退職所得控除。退職金控除とも呼ばれます)は2つを合わせて1つになります。年をずらすとそれぞれの控除を使えますが、一定の年数以内だと、勤めた期間と掛金を出した期間が重なる分の控除は使えず、差し引かれます。

受け取る順番控除が調整される期間よく呼ばれる名前
iDeCoが先、退職金があと退職金を受け取る年の前年以前9年以内に、2026年以後に受け取ったiDeCoの一時金があると調整(2025年までに受け取った分は4年以内)10年ルール(受け取る年を含めて10年。2025年までは5年ルール)
退職金が先、iDeCoがあとiDeCoを受け取る年の前年以前19年以内に退職金を受け取っていると調整19年ルール(前年以前19年。20年ルールとも呼ばれます)
同じ年2つを合わせた額に、2つの期間を合わせた年数(重なる期間は1回)の控除を使う—

iDeCoが先なら、前年以前9年以内(2026年1月から)

2026年1月1日以後に受け取ったiDeCo・企業型DCの一時金から、そのあとに受け取る退職金との調整期間が「4年以内」から「9年以内」に延びました。60歳でiDeCoを受け取り、65歳で退職金を受け取る形では、これからは期間が重なる分の控除が差し引かれます。2025年までに受け取った一時金は、4年以内のままです。

退職金が先なら、前年以前19年以内

60歳で退職金を受け取ると、iDeCoを75歳まで遅らせても19年以内に入るため、20年はあけられません。年は受け取った日ではなく、暦年(1月〜12月)で数えます。差し引いた後も、控除は最低80万円残ります。

退職金とiDeCoの組み合わせ早見表

60歳で退職金を受け取り(勤続38年)、iDeCoの掛金を40〜60歳の20年間出していた場合の、税金の合計です。少ない方を濃紺で示しています。

退職金とiDeCoの税金の合計(退職金は60歳で受け取り・勤続38年、iDeCoは掛金20年)
退職金+iDeCoiDeCoも60歳iDeCoは61〜75歳
1,500万円+300万円0円0円
1,500万円+600万円3.0万円21.1万円
1,500万円+1,000万円34.5万円59.8万円
1,800万円+300万円3.0万円10.6万円
1,800万円+600万円25.7万円34.5万円
1,800万円+1,000万円68.9万円84.1万円
2,000万円+300万円18.1万円16.6万円
2,000万円+600万円44.6万円42.6万円
2,000万円+1,000万円99.3万円96.3万円
2,500万円+300万円68.9万円51.1万円
2,500万円+600万円114.5万円77.1万円
2,500万円+1,000万円176.1万円130.8万円

退職金が控除額(勤続38年なら2,060万円)を下回って控除が余るときほど、同じ年に受け取る方が税金が少なくなります。控除をほぼ使い切るときは、iDeCoを61歳以後にずらす方が少なくなります。ご自身の数字は、ページ上部の「退職金との順番」で確かめられます。

退職金だけの税金と手取りは、退職金の手取りシミュレーションで計算できます。

出典:国税庁「令和8年 源泉所得税の改正のあらまし」、財務省「令和7年度税制改正の大綱」、所得税法施行令70条

iDeCoは何歳から受け取れる?(60〜75歳)

iDeCo・企業型DC(確定拠出年金)がいつからもらえるかは、加入していた期間で決まります。60歳から75歳までの間で、受け取り始める時期を選べます。60歳の時点で加入していた期間(掛金を出した期間と運用だけしていた期間の合計)が10年に満たないと、受け取り始められる年齢が遅くなります。

60歳の時点で加入していた期間と、受け取り始められる年齢
加入していた期間受け取れる年齢
10年以上60歳
8年以上10年未満61歳
6年以上8年未満62歳
4年以上6年未満63歳
2年以上4年未満64歳
1か月以上2年未満65歳

60歳以上で初めて加入した人は、加入から5年たつと受け取れます。受け取りは、75歳になるまでに請求します。iDeCo公式サイトでは、請求がない場合は法務局に供託されると案内しています。また、厚生労働省の資料では、2027年4月から、75歳で自動的に受け取りが始まる(裁定される)ことになっています。75歳が近づいたら、金融機関で手続きを確かめてください。

実際には、受け取り始める人の91.9%が65歳以下で、70歳以上は1.5%です(厚生労働省 社会保障審議会 企業年金・個人年金部会 2024年11月8日の資料)。

出典:iDeCo公式サイト、厚生労働省「iDeCoの加入可能年齢・受給開始可能年齢」

60歳以降のiDeCo:2026年12月から70歳まで加入して掛けられる人

いまiDeCoに掛けられるのは、国民年金に入っている65歳未満の人です(60歳以上は、会社員・公務員など厚生年金に入っている人と、国民年金に任意加入している人)。2026年12月1日からは、国民年金に入っていない60〜69歳の人も、次の2つに当てはまれば掛金を出せます。

  • iDeCoに資産がある(加入者・運用指図者)か、企業年金からiDeCoに資産を移す
  • 老齢基礎年金も、iDeCoの老齢給付金も、まだ受け取っていない

2029年11月末までは経過措置として、1つ目に当てはまらない60〜69歳の人も新たに加入できます(老齢基礎年金を受け取っている人などは除きます)。

掛金の上限も上がります。会社員は企業年金と合わせて月6.2万円、自営業などは国民年金基金と合わせて月7.5万円、国民年金に入っていない60歳以上70歳未満の人は月6.2万円です。

  • iDeCoを受け取り始めると、その後は掛けられません。
  • 公的年金(老齢基礎年金)を受け取り始めた人も、掛けられません。65歳から公的年金を受け取るなら、掛けられるのは65歳になるまでです。
  • 掛金は、その年の給与などから差し引けるので、所得税と住民税が減ります。給与などの所得がない年は、減る税金はありません。
  • 掛金を出した年数が増えると、受け取るときの控除も増えます(20年を超えると1年70万円)。

運用指図者として、60歳以降も運用だけ続ける場合

掛金は出さず、60歳以降も運用だけ(運用のみ)続ける人を「運用指図者」といいます。受け取るまで税金はかかりませんが、口座の手数料(事務委託先金融機関の月66円など)が自分持ちになります。年金で受け取れば、75歳を過ぎても残りの運用は続きます。

ご自身の数字は、ページ上部の「受け取りを遅らせる」で比べられます。出典:厚生労働省「2025年の制度改正」、厚生労働省「iDeCo・企業型DCの拠出限度額と加入可能年齢の引き上げ」

iDeCoの出口戦略:受け取りで決める4つのこと

iDeCoの「出口」で決めるのは、受け取り方、受け取る年、退職金との順番、そして受け取るときの値段です。

  1. 受け取り方一時金・年金・併用。控除の中に収まるなら、一時金で税金はかかりません。
  2. 受け取る年60〜75歳の間で選べます。遅らせる間も運用は続き、値動きで増えたり減ったりします。
  3. 退職金との順番同じ年か、9年・19年のルールの外か。退職金で控除を使い切るかどうかで答えが変わります。
  4. 受け取るときの値段一時金は、受け取る日の値段で現金になります。年金なら、残りは運用が続きます。

税金や保険料で損になりやすい3つの場合

控除を超える額を一時金で受け取るとき、退職金と受け取る年が近くて控除が減るとき、国民健康保険に入ったまま全部を年金で受け取るときは、引かれる額が多くなりやすくなります。ご自身の数字は、ページ上部の計算で比べられます。

受け取る年に値下がりしていたら

一時金は、請求したあとに中の商品が売られた日の値段で現金になります。値下がりしているときは、75歳までの間で受け取る年を遅らせることもでき、その間も値動きは続きます。年金で受け取る場合は、残りのお金の運用が続きます。受け取る前に、中の商品を元本確保型の商品(定期預金など)に入れ替えておくこともできます。

2026年1月から、iDeCoを先に受け取ったときの調整期間が9年に延びたため、「60歳でiDeCo、65歳で退職金」という受け取り方は、これまでより税金が多くなることがあります。受け取る前に、ご自身の数字で確かめてください。

受け取りの手続きと手数料

  1. 受け取れる年齢になるiDeCoを申し込んだ銀行・証券会社など(企業型DCは、会社のDCのサイトや案内にある請求先)から書類が届くか、自分で請求書を取り寄せます。
  2. 請求書を出す受け取り方(一時金・年金・併用)を選びます。一時金の場合は「退職所得の受給に関する申告書」も出します。
  3. 振り込まれる請求してから1〜2か月ほどかかります。

受け取るときは、そのたびに440円(事務委託先金融機関)の手数料がかかります。一時金なら1回、年金で年4回を10年なら40回で17,600円です。

確定申告:一時金は、申告書を出していれば原則いりません。年金で受け取る場合は、公的年金等の収入が400万円以下で、ほかの所得が20万円以下なら、確定申告をしなくてよい場合があります。

出典:中央ろうきん「iDeCo手数料のご案内」、国税庁「No.1600」

企業型DC(会社の確定拠出年金)・自営業の場合

企業型DC(企業型確定拠出年金)も、受け取り方と税金の仕組みはiDeCoと同じです。違うのは次の点です。

  • 年金で受け取れるか、何年に分けられるか、併用できるかは、会社の規約で決まります。
  • 60歳以上で会社を辞めたら、受け取るか、運用だけ続けるか、iDeCoへ移すかを選びます。
  • 企業型確定拠出年金と会社の退職金は別のお金なので、両方もらえます。同じ年に受け取ると、税金は合わせて計算します。
  • 企業型DCとiDeCoの両方がある場合、同じ年に一時金で受け取ると、2つを合わせて計算します。

60歳になる前に会社を辞めた場合は、受け取れません。iDeCoや次の会社の企業型DCへ移す手続きをします。

公務員の退職手当がある場合

公務員の退職手当も、会社の退職金と同じ退職所得です。iDeCoとの順番による控除の調整も同じです。

自営業・フリーランスの場合(小規模企業共済も受け取る)

小規模企業共済の共済金を一時金で受け取ると、退職所得になります。iDeCoの一時金と受け取る年が近いと、会社の退職金と同じように控除が調整されます(掛金を納めた期間で数えます)。国民年金基金は年金で受け取り、公的年金と合わせた雑所得になります。上の「退職金との順番」では、共済金を退職金の欄に入れて計算できます。

受け取った一時金・退職金の置き方を決める順番

一時金や退職金は、一度にまとまって入ります。置き方は、使う時期が近いものから順に決めていきます。

  1. 入ったらすぐ使う額を分ける住まいの修繕、車の買い替え、ローンの返済など、1〜2年のうちに使う予定の額です。
  2. 当面の生活費と備えを、預貯金に置く公的年金が始まるまでの生活費の足りない分と、急な出費への備えです。
  3. 数年以上使わない分を、運用に回すか決める運用に回すなら、値動きでどのくらい下がることがあるかを確かめてから、額を決めます。
  4. 運用に回す分の置き場所を決めるNISAと、NISA以外の口座(特定口座など)の使い分けです。

NISAに入れられるのは年360万円まで

NISAの年間投資枠は、つみたて投資枠120万円と成長投資枠240万円の合計360万円で、生涯で1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円)までです。まとめて入れられるのは成長投資枠の年240万円までで、つみたて投資枠は毎月などの積立で入れます。たとえば、一時金800万円のうち500万円を運用に回すなら、1年目は成長投資枠に240万円と積立で年120万円、残りの140万円は2年目に入れられます。受け取った年にまとめて運用に回すなら、240万円を超える分はNISA以外の口座を使います。

どの順番で、いくらずつ分けるかは、年金の額やほかの資産で変わります。ご自身の場合を、IFAと確かめることもできます(ページ上部の「プロに聞いてみませんか?」)。

退職金の運用の相談については、退職金の運用相談のページでも説明しています。

出典:金融庁「NISAを知る」

よくある質問

iDeCo・確定拠出年金と退職金は、両方もらえますか?
はい。iDeCo・企業型DC(確定拠出年金)と会社の退職金は別のお金なので、両方もらえます。どちらも一時金なら退職所得になり、受け取る年によって控除が調整されます(同じ年なら2つを合わせて1つ、iDeCoが先なら9年以内、退職金が先なら19年以内だと重なる期間の分を差し引き)。
iDeCo・確定拠出年金を受け取る(下ろす)と、税金はかかりますか?
一時金は退職所得として、控除を超えた分の半分に所得税と住民税がかかります。控除の中なら0円です。年金は、公的年金と合わせた雑所得として毎年の所得税と住民税がかかり、国民健康保険料なども増えることがあります。
iDeCoの賢い受け取り方・損しない受け取り方は?
まず、一時金が控除(掛金20年なら800万円)の中に収まるかを確かめます。収まるなら、一時金で受け取れば税金はかかりません。超える方や、会社の退職金がある方は、受け取る年をずらすか、一部を年金にするかで、税金・保険料・手数料を比べます。
iDeCoは年金で受け取ったほうが得ですか?
国民健康保険に入る方は、年金の分だけ保険料が増えるため、一時金で受け取る方が引かれる額が少ないことが多くなります。年金で受け取る方が少なくなるのは、退職金で控除を使い切っていて、年金で受け取る間も保険料が増えない方(働いて会社の健康保険に入っている方など)です。
iDeCoで1,000万円・2,000万円を受け取ると、税金はいくらですか?
一時金で受け取る場合、掛金20年なら1,000万円で15万1,050円、2,000万円で138万8,722円です。掛金25年なら1,000万円は0円、2,000万円は85万6,372円です(所得税と住民税の合計。退職金がない場合)。
確定拠出年金は、いくらまで非課税ですか?
一時金で受け取る場合、掛金を出した年数×40万円(20年を超える分は1年70万円)までは税金がかかりません。最低80万円です。10年なら400万円、20年なら800万円、30年なら1,500万円です。
退職金で退職所得控除を使い切り、iDeCoに使えないときはどうなりますか?
同じ年に退職金と受け取ると、控除を超えた分の半分に税金がかかります。年をずらすと、iDeCoの控除から、勤めた期間と重なる分が差し引かれます(最低80万円は残ります)。一部を年金で受け取る方法もあります。
iDeCoと退職金は、どちらを先に受け取るべきですか?
人によって変わります。iDeCoが先なら9年以内(2026年以後に受け取った分)、退職金が先なら19年以内だと、重なる期間の控除が差し引かれます。退職金が控除より少ないなら同じ年、控除をほぼ使い切るならずらす方が、税金が少なくなる傾向です。
iDeCoのルールは、何が変わりましたか?
2026年1月から、iDeCoを先に受け取ったあとの退職金との調整期間が「4年以内」から「9年以内」に延びました。2026年12月からは、70歳になるまで掛けられる人が増え、会社員の掛金の上限は企業年金と合わせて月6.2万円になります。
iDeCoの10年ルールは、いつからですか?
2026年1月1日以後に受け取るiDeCo・企業型DCの一時金からです。それより前に受け取った一時金は、これまでどおり4年以内(5年ルール)で調整します。
5年ルールと19年ルールの違いは何ですか?
受け取る順番が違います。iDeCoが先で退職金があとなら5年ルール(2026年からは10年ルール)、退職金が先でiDeCoがあとなら19年ルールです。
iDeCoの年金は、何回に分けて受け取れますか?
5年以上20年以下の間で、1年に受け取る回数とあわせて、金融機関の決まりから選びます。受け取るたびに440円の手数料がかかります。
iDeCoは何歳まで掛けられて、何歳までに受け取りますか?
いまは、国民年金に入っている65歳未満の方が掛けられます。2026年12月からは、iDeCoに資産がある方などで、老齢基礎年金やiDeCoを受け取っていなければ、70歳になるまで掛けられます。受け取りは、60歳から75歳までの間に始めます。
65歳になったら、iDeCoはどうなりますか?
いまの制度では、65歳になると掛金を出せなくなり、受け取るか、運用だけ続けるかを選びます。2026年12月からは、iDeCoに資産があり、公的年金(老齢基礎年金)とiDeCoを受け取っていなければ、70歳になるまで掛けられます。65歳から公的年金を受け取り始めると、その後は掛けられません。
働きながら、iDeCoを受け取れますか?
60歳以上なら、働いていても受け取れます。iDeCoで掛金を出している方は、受け取りを始めると、その後は掛けられません。企業型DCは、受け取れる時期が会社の規約や加入の状況で変わるので、会社の担当部署で確かめてください。年金で受け取る分は、給与と合わせて税金がかかります。
60歳になったら、iDeCoはどうなりますか?
加入していた期間が10年以上なら、受け取れるようになります。会社員などで国民年金に入っている方は、65歳になるまで掛け続けられます。2026年12月からは、条件を満たせば70歳になるまで掛けられます。
iDeCoは、何歳まで運用できますか?
受け取り始めるのは75歳までです。年金で受け取れば、受け取っている間も残りの運用は続くので、75歳を過ぎても運用できます。
iDeCoを受け取ったら、確定申告は必要ですか?
一時金は、「退職所得の受給に関する申告書」を出していれば、いりません。年金で受け取る場合は、公的年金等の収入が合わせて400万円以下で、ほかの所得が20万円以下なら、所得税の確定申告をしなくてよいことになっています(住民税の申告がいる場合はあります)。
確定拠出年金(iDeCo・企業型DC)は、どうやって受け取りますか?
受け取り方(一時金・年金・併用)を選ぶ請求書を出します。iDeCoは申し込んだ銀行・証券会社など、企業型DCは会社のDCの案内にある請求先です。受け取れる年齢になると書類が届くか、自分で取り寄せます。請求してから振り込まれるまで、1〜2か月ほどかかります。
iDeCo・確定拠出年金の受け取りの落とし穴(確かめておくこと)は?
4つあります。退職金と受け取る年が近いと控除が減ること(9年・19年)、年金で受け取ると国民健康保険料と手数料が毎年かかること、一時金では「退職所得の受給に関する申告書」を出すこと、75歳になるまでに請求することです。
60歳以上で会社を辞めたら、企業型DCはどうなりますか?
受け取るか、運用だけ続けるか、iDeCoへ移すかを選びます。受け取り方は会社の規約で決まるので、会社の担当部署か、運営管理機関に確かめてください。
受け取ったお金は、どうすればいいですか?
すぐ使う額、当面の生活費と備えとして預貯金に置く額、数年以上使わずに運用に回す額の順に分けて考えます。NISAに入れられるのは年360万円・生涯で1,800万円までです。分け方は、IFAと一緒に考えることもできます(ページ上部の「プロに聞いてみませんか?」)。

受け取ったお金の分け方を、IFAと一緒に考えられます

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監修・運営

監修
平 行秀 アドバイザーナビ株式会社 代表取締役社長/証券アナリスト/元野村證券
運営
資産運用ナビを運営するアドバイザーナビ株式会社は、野村證券出身の平 行秀が2019年に設立した、IFAに特化したプラットフォーム企業です。上場企業などが株主となっており、資金調達額は約8億円です。日本経済新聞、Forbes、東洋経済などのメディアにも取り上げられています。
実績
登録IFA400名以上(全員が金融庁に登録)。累計1万人以上が資産運用ナビを通じて相談しています。

計算方法と前提

  • 一時金は退職所得として、退職所得控除(掛金を出した年数が20年以下は40万円×年数・最低80万円、20年を超える場合は800万円+70万円×(年数−20年))を引き、その2分の1の1,000円未満を切り捨てた額に税金をかけます。掛金を出した年数が5年以下の場合は、控除後の300万円を超える部分を2分の1にしません。年数は、企業型DCとiDeCoで重なる期間を1回だけ数え、1年に満たない端数は1年とします。
  • 所得税は速算表で計算した額に102.1%(復興特別所得税を含む)をかけて1円未満を切り捨て、住民税は市町村民税6%と道府県民税4%を、それぞれ100円未満を切り捨てて計算します。「退職所得の受給に関する申告書」を出した場合に差し引かれる額と同じ計算です。2027年1月からは、復興特別所得税1.1%と防衛特別所得税1%の合計2.1%になり、計算の結果は変わりません。
  • 年金で受け取る分は、公的年金(入れた場合は企業年金を含む)と合わせた収入から公的年金等控除(その年の12月31日に65歳以上かどうかで区別)を引いた雑所得として、増える所得税・住民税を計算します。所得控除は、基礎控除(2028年分以後の額:合計所得金額132万円以下は99万円、それを超えると62万円。2026・2027年分は合計所得金額489万円以下なら104万円、655万円以下なら67万円で、その2年は税金がこの計算より少なくなることがあります)、選んだ場合の配偶者控除(本人の合計所得金額が900万円を超えると段階的に減り、1,000万円を超えると0)、社会保険料控除だけを入れています。一時金を受け取った年は、退職所得の金額を所得税の合計所得金額にだけ含めて(住民税と保険料の所得には含めません)基礎控除・配偶者控除・公的年金等控除の段階を判定し、その年に増える公的年金などの税金も足しています。毎年の住民税の所得割は、調整控除を差し引いてから、市町村民税と道府県民税をそれぞれ100円未満で切り捨てます。
  • 給与がある年は、給与所得控除(2028年分以後の額。2026・2027年分は最低額が74万円で、税金がこの計算より少なくなることがあります)を引いた給与所得と合わせて計算し、給与と公的年金等の両方がある年は所得金額調整控除(最大10万円)を引きます。給与がある年は会社の健康保険に入っているとみなし、年金の額で保険料は変わらない計算です。給与から引かれる社会保険料は、給与の15%(厚生年金の保険料がかからない70歳からは6%)として社会保険料控除に入れています。「勤め先の健康保険に入っていない(パートなど)」を選んだ場合は、働いている年も、働いていない年と同じ健康保険で計算します。健康保険で「家族の扶養」を選んだ場合は、公的年金等(iDeCoの年金を含む)と給与の収入が年180万円以上になる年は扶養から外れたとして、国民健康保険の保険料を計算します。任意継続は、「受け取り方」ではiDeCoを受け取り始める年齢から、「退職金との順番」では退職金を受け取る年齢から2年として、その後は国民健康保険で計算します。75歳からは、選んだ健康保険にかかわらず、後期高齢者医療の保険料を計算します。配偶者控除の70歳以上の区分は、入力した配偶者の年齢で判定します。「事業の所得(自営業の方)」に入れた額は、働く最後の年齢まで毎年の所得に足して税金を計算し、健康保険は選んだもので計算します。自営業の方が払う国民年金の保険料(60歳になるまでと、任意加入の場合)は、社会保険料控除に入れていません(入れると、税金はこの計算より少なくなります)。「受け取りを遅らせる」で自営業を選んだ場合は、入れた額を事業の所得として、国民健康保険に入っている計算です。
  • 保険料は、国民健康保険(74歳まで)と後期高齢者医療(75歳から)が増える分の目安で、東京都特別区の2026年度の率(所得割は、国民健康保険が所得から43万円を引いた額に、医療分7.51%・後期高齢者支援金分2.8%・子ども・子育て支援金分0.27%、40〜64歳は介護分2.43%。後期高齢者医療は東京都の9.88%+子ども・子育て支援金分0.26%)で計算しています。均等割は、所得に応じた7割・5割・2割の軽減(2026年度。65歳以上は年金の所得から15万円を差し引いて判定)を入れ、配偶者控除を選んだ場合は配偶者も所得のない加入者として数えます。住民税は均等割5,000円(森林環境税を含む)と調整控除も入れています。65歳以上の介護保険料の段階の変化は含めていません。率と軽減の基準は、お住まいの市区町村で変わります。
  • 年金は、受け取る年数を決めた年金(有期年金)として、残高を年数で割った額を毎年受け取り、税金と保険料もその年の分として計算します(実際の保険料は前の年の所得で決まります)。1年に受け取る回数は、手数料の計算だけに使います(「退職金との順番」も「受け取り方」で選んだ回数で計算します)。受け取るまでと、年金で受け取る間の運用の増減は入れていません。
  • 手数料は、受け取るたびに440円(事務委託先金融機関)、掛金を出している間は毎月186円(国民年金基金連合会120円〈2026年12月分から。それまでは105円〉と事務委託先金融機関66円)、運用だけの間は毎月66円です。金融機関(運営管理機関)の手数料は入れていません(「受け取りを遅らせる」では金額を変えられます)。
  • 「退職金との順番」は、勤めた期間(受け取る年齢から勤続年数をさかのぼる)と、掛金を出した期間(出し終える年齢から年数をさかのぼる)の重なりを年単位で数えます。iDeCoが先なら退職金を受け取る年の前年以前9年以内、退職金が先ならiDeCoを受け取る年の前年以前19年以内に受け取った一時金があると、重なる期間の分を控除から差し引きます(最低80万円)。前に受け取った一時金がその控除額より少ない場合は、受け取った額から逆算した年数だけを重なりとして数えます(所得税法施行令70条2項)。
  • 同じ年に受け取る場合は、合わせた額に、2つの期間を合わせた年数(重なる期間は1回だけ数える)の控除を使います。表では、税金を退職金とiDeCoの額の割合で分けて示しています。「控除の額まで一時金、残りを年金」は、退職金のあとの年に、差し引いた後のiDeCoの控除の額(1万円未満切り捨て)までを一時金で受け取り、残りを年金で受け取る計算です。
  • iDeCo・企業型DCを受け取り始められる年齢は、掛金を出した期間と運用だけしていた期間を合わせた年数(通算加入者等期間)で決まり、60歳の時点で10年未満なら61〜65歳です。60歳以上で初めて加入した場合は、加入から5年後です。
  • 「受け取りを遅らせる」の掛金で減る税金は、その年の所得税・住民税を、掛金を出した場合(小規模企業共済等掛金控除)と出さない場合で比べた差です。掛けた額は受け取るときに戻るので、「受け取って残る額−掛けた額+掛金で減った税金」で比べます。2026年12月からの加入の条件は、国民年金に入っていない60歳以上70歳未満の人の場合、iDeCoの加入者・運用指図者か企業年金からiDeCoに資産を移す人で、老齢基礎年金やiDeCoの老齢給付金を受け取っていないことです(2029年11月末までは経過措置あり)。
  • iDeCoや企業型DCの一時金を2025年までに受け取った方は、そのあとに受け取る退職金の調整期間が「前年以前4年以内」のままです。このページは、2026年以後に受け取る場合で計算します。
  • 「受け取りを遅らせる」の掛金で減る税金は、公的年金や企業年金をまだ受け取っていない年として計算します。同じ年に受け取る退職金が勤続5年以下(短期退職手当等)で、iDeCoと合わせた期間が6年以上になる場合の区分の分け方は、このページでは計算していません。「退職金との順番」の配偶者控除は、「受け取り方」の計算で選んだものを使います。

注意点

  • 入れた条件での試算で、実際に差し引かれる税金や受け取る額を約束するものではありません。金融機関、会社、税務署などで確かめてください。
  • 特定の受け取り方や金融商品をすすめるものではありません。
  • 税金・保険料・手数料などの数値は2026年10月時点です。2026年12月からの加入の細かい条件は、iDeCo公式サイトや金融機関で確かめてください。制度の改正などで変わることがあります。