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辻 勝隆さんの回答
退職金を活かして前向きに資産形成したい場合でも、「やってはいけないこと」を避けることが、成功の前提になります。攻めるためにこそ、守りの原則を押さえましょう。
やってはいけないことは、
(1)一括投資——まとまった退職金を一度に投じると、直後の下落リスクが大きい
(2)手数料の高い複雑な商品を勧められるまま契約する
(3)一発逆転を狙った集中投資やレバレッジ
(4)生活防衛資金まで投じる
の4つです。これらは、せっかくの退職金を大きく減らしかねません。
これらを避けたうえで、前向きに運用するなら、(1)当面の生活費・医療介護費を確保し、(2)余裕資金を、(3)低コストの国際分散インデックスで、(4)一括ではなく時間分散で買い付ける——のが基本です。時間分散なら、高値づかみのリスクを抑えつつ、市場の成長を取り込むことができます。
失敗例として多いのは、退職直後に高コスト商品を一括購入して資産を減らすケースです。逆に成功するのは、焦らず、低コストで分散し、長期で運用する人です。
退職金という土台を活かし、インフレに負けず資産寿命を延ばすには、守りの原則を守りながら、余裕資金にしっかり働いてもらうことです。NISAの非課税枠も活用できます。攻めつつ失敗を避ける設計は、IFAなど専門家と組むと、効率よく実現できます。
辻 勝隆
株式会社Stock Fine
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A
渡辺 吉祐さんの回答
退職金が振り込まれた途端、金融機関から次々と提案が来て、判断を誤りそうで不安とのこと。その警戒心は、退職金を守るうえでとても大切です。やってはいけないことと、よくある失敗例を整理してお伝えします。
まず、ご質問の「退職金を使って絶対にやってはいけないこと」を挙げます。
第一に、まとまった退職金を、一度に値動きの大きい商品へ投じることです。退職直後は気が大きくなりがちですが、2,000万〜3,000万円といった大金を一括で株式や投資信託に投じると、直後に相場が下落した場合、大きく目減りし、回復を待つ時間も限られます。退職世代にとって、これは最も避けるべき失敗です。自分の許容できるリスクリターンの範囲の商品を選びましょう。
第二に、仕組みを理解できない複雑な商品に手を出すことです。「退職金専用」「高利回り」をうたうファンドラップ、仕組債、外貨建て保険などは、手数料が高かったり、リスクが見えにくかったりします。勧められるまま、よく分からないまま契約するのは危険です。
第三に、退職金専用定期預金の「高金利」に飛びついて、抱き合わせの投資信託まで契約することです。高金利は最初の数か月だけで、セットの投資信託の手数料で、かえって損をすることがあります。
第四に、生活防衛資金や近々使うお金まで投資に回すことです。退職後は医療・介護など突発的な出費もあります。すぐ使えるお金は必ず預金で確保します。
第五に、「元本保証で高利回り」といった詐欺的な勧誘に乗ることです。退職金を持つ世代は、詐欺のターゲットになりやすいので、うますぎる話は警戒してください。
ご質問の「退職金を運用や投資で大きく減らしてしまった失敗例」を、具体的に挙げます。よくあるのは、退職直後に銀行で勧められるまま、退職金の大半を手数料の高い投資信託や外貨建て保険に投じ、相場や為替の変動で大きく目減りさせてしまうケースです。また、「もっと増やしたい」と欲を出して値動きの激しい個別株やテーマ型に集中投資し、暴落で資産を大きく失う例もあります。退職金で初めて大きな投資をする方が、相場の下落に動揺して狼狽売りし、損を確定させてしまう、というのも典型的な失敗です。
ご質問の「退職金の使い過ぎで後悔することの1位」についてですが、調査などでよく挙がるのは、「金融機関に勧められるまま運用商品を契約して損をした」「よく考えずに大きな買い物(住宅リフォーム、車、子への援助など)をして、必要なときに資金が足りなくなった」といった後悔です。まとまったお金が入ったことで気が緩み、計画なく使ってしまうことが、後悔の大きな原因です。
ご質問の「退職直後の金融機関の提案で気をつけること」をまとめます。第一に、その場で契約せず、必ず持ち帰って検討すること。第二に、提案された商品の手数料(購入時手数料・信託報酬)とリスクを必ず確認すること。第三に、「退職金専用」「今だけ」といった言葉に惑わされないこと。第四に、複数の選択肢を比較し、中立的な意見も聞くことです。
退職金は、急いで運用する必要は全くありません。まず数か月は預金に置いて落ち着き、生活防衛資金と当面使うお金を確保したうえで、当面使わない部分だけを、十分理解したうえで運用する。この順序を守れば、大きな失敗は避けられます。中立的な助言を求めるなら、IFAなどに相談されることをおすすめします。
渡辺 吉祐
株式会社アリスタゴラ・フィナンシャル・サービス
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