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山下 広祐さんの回答
退職金は、適切に運用すれば、インフレに負けず、老後の資産寿命を延ばす力になります。低金利の預金に全額を置いたままにするより、一部をしっかり運用に回す意義は大きいです。
何割を運用に回すかは、当面の生活費・医療介護の備えを預金で確保したうえで、それを除いた余裕資金が対象です。人生100年時代では、退職後も20年以上の運用期間が見込めるため、余裕資金の範囲では、過度に守りに偏らず、増やす力を残す配分も検討できます。
この年代に合った運用は、個別債券を軸に、株式資産を一定割合(運用部分の2〜3割程度)持つ形です。再雇用などで当面の収入があり、すぐ取り崩さないなら、運用を続けて複利を活かせます。預金だけではインフレで実質価値が目減りするため、一部を運用に回すことで、資産の購買力を保てます。
退職直後の注意点は、まとまった資金を一括で投じず、時間分散で買い付けることです。これで高値づかみのリスクを抑えつつ、市場に参加できます。
「使いながら運用する」発想で、運用を続けながら必要分を取り崩せば、資産に長く働いてもらえます。相談先は、IFAなど専門家が、長期的に伴走してくれて安心です。攻めと守りのバランス設計を、一緒に組むと効率的です。
山下 広祐
株式会社Stock Fine
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青木 光さんの回答
定年退職で退職金を受け取り、超低金利の預金のままで気になっておられるのですね。退職金の運用について、何割を回すべきかという点を中心に整理してお伝えします。
まず大切な心構えからお伝えします。退職金は、これからの人生を支える、おそらく人生で最大級のまとまった資金です。だからこそ、「増やす」こと以上に「大きく減らさない」ことが重要です。焦って運用を始める必要はなく、まず落ち着いて全体を設計することが大切です。
ご質問の「退職金のうち何割を運用に回すのが適切か」についてです。明確な正解はありませんが、考え方の枠組みをお伝えします。退職金を、目的別に3つに分けます。
第一は、生活防衛資金と当面使うお金です。生活費の数年分や、近い支出(住宅修繕、車の買い替え、医療費など)に充てる分は、預金や個人向け国債など、元本の安全な形で確保します。これは運用に回しません。
第二は、5〜10年は使わない中期資金です。すぐには使わないが、いずれ使う可能性のあるお金で、債券やバランス型ファンドなど、値動きの穏やかな商品でゆるやかに運用します。
第三は、当面使う予定のない長期資金です。ここを、インフレ対策として株式を含む運用に回します。
この枠組みでいくと、「運用に回す割合」は、第二と第三を合わせた部分、ということになります。60代で退職金を含む金融資産が3,000万円規模の場合、一般的な目安としては、安全資産(預金・国債)を6〜7割確保し、運用に回すのは3〜4割程度に抑える、という守り中心の配分が、この年代には無難とされます。ただし、年金収入で生活費が賄える見通しがあるか、他に十分な資産があるかによって、運用比率を高める余地もあります。
ご質問の「退職金は運用しないほうがいいのか」という点については、両面あります。値動きが不安で、預金と年金で生活が成り立つなら、無理に運用しない選択も尊重されます。一方、全額を預金に置くと、インフレで実質価値が目減りするリスクがあります。一部だけでも運用してインフレに備える、という折衷が現実的です。
避けるべきことも明確にお伝えします。「退職金専用」「高利回り」をうたう複雑な商品(ファンドラップ、仕組債、外貨建て保険など)に安易に乗ることです。
退職金の運用は急ぐ必要は全くありませんので、まず全体設計から、落ち着いて進めてください。
青木 光
株式会社アリスタゴラ・フィナンシャル・サービス
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