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渡辺 吉祐さんの回答
FIREに必要な資産が見えてきた一方、実際にFIREした人の後悔も知っておきたい、という慎重な姿勢はとても大切です。踏み切る前に現実を知ることは、失敗を避ける最善の準備です。後悔・失敗のパターンを整理してお伝えします。
ご質問の「FIREして後悔する人のパターン」を、金銭面と精神面に分けてお伝えします。
まず、金銭面の失敗パターンです。第一に、資産が想定より早く減ってしまうケースです。4%ルールを楽観的に適用し、リタイア直後に相場が大きく下落すると(シーケンスリスク)、資産の減りが加速し、計画が狂います。第二に、インフレの見誤りです。リタイア時の生活費で計算していたのに、物価上昇で生活費が増え、資産が足りなくなるケースです。第三に、想定外の支出です。医療・介護・住宅修繕・家族の事情など、計画になかった大きな出費で資産が目減りします。第四に、税金や社会保険料の見落としです。会社員時代は給与天引きだった国民健康保険料や国民年金を、リタイア後は自分で払う必要があり、これが想定以上に重く感じられることがあります。
次に、精神面の失敗パターンです。これは見落とされがちですが、非常に重要です。ご質問にあった「暇すぎる」という問題が、まさにこれです。第一に、時間を持て余すケースです。仕事という張り合いや生活リズムを失い、何をして過ごせばよいか分からず、かえって退屈や虚しさを感じる人がいます。第二に、社会とのつながりの喪失です。職場での人間関係や、社会に貢献している実感がなくなり、孤独を感じるケースです。第三に、アイデンティティの喪失です。「仕事をしている自分」が自己像の大きな部分を占めていた人ほど、リタイア後に「自分は何者か」を見失いがちです。第四に、周囲との価値観のずれです。同世代が働いている中で、自分だけがリタイアしていることへの居心地の悪さを感じる人もいます。
ご質問の「回避する方法」をお伝えします。金銭面では、第一に、4%ルールを保守的に見積もり(3〜3.5%)、生活費の数年分を安全資産で確保すること。第二に、インフレや想定外の支出に備えて、資産にゆとりを持たせること。第三に、税・社会保険の負担も計算に入れることです。
精神面では、第一に、リタイア後に何をするかを具体的に決めておくこと。第二に、社会とのつながりを保つ工夫(趣味のコミュニティ、ボランティア、ゆるい仕事など)をすること。第三に、完全FIREにこだわらず、好きな仕事を続けるサイドFIREを選ぶことです。サイドFIREは、収入面の安心だけでなく、社会とのつながりや張り合いも保てるため、後悔のリスクを大きく減らせます。
FIREは、十分な資金と、リタイア後の生き方の設計、その両方が揃って初めて成功します。「お金が貯まったら辞める」だけでなく、「辞めて何をするか」まで考えておくことが、後悔しないFIREの鍵です。資金計画の堅牢さについては、IFAなどの専門家と一緒に、保守的なシミュレーションをされることをおすすめします。
渡辺 吉祐
株式会社アリスタゴラ・フィナンシャル・サービス
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