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小宮 健太さんの回答
国が新NISAを強く推進しているのを見て、かえって「裏があるのでは」と勘ぐってしまう、というお気持ちはよく分かります。警戒する姿勢自体は健全ですので、国の狙いを客観的に整理し、警戒すべき点と過度に恐れる必要のない点をお伝えします。
まず、国が新NISAを推進する理由を、政策的な背景から説明します。これは陰謀ではなく、公にされている政策目的です。
第一に、「家計の安定的な資産形成」です。日本は長らく低金利が続き、預金だけでは資産が増えにくい状況です。年金だけでは老後の生活費が不足しうるという課題もあります。国民が自助努力で資産を形成できるよう、税制優遇(非課税)で投資を後押しする、というのが表向きの、そして主たる狙いです。
第二に、「貯蓄から投資へ」という経済政策です。日本の家計金融資産の多くは預金に滞留しています。これが投資に回れば、企業にお金が回り、経済が活性化し、その成長の果実が家計にも還元される、という好循環を国は期待しています。
第三に、これは間接的な効果ですが、個人金融資産が国内外の市場に向かうことで、経済全体の活力につながるという見方もあります。
ご質問の「国民をカモにする狙いでは」という懸念について、フラットにお答えします。新NISA制度そのものは、運用益を非課税にする「国民に有利な」仕組みです。国が税収を放棄してまで非課税枠を設けているわけですから、制度自体に国民を損させる仕掛けがあるわけではありません。この点では、過度に警戒する必要はありません。
ただし、警戒すべき点もあります。それは、制度ではなく「制度を利用した周辺の勧誘」です。第一に、「NISAブーム」に乗じて、手数料の高い商品や、NISAに適さない商品を売りつけようとする金融機関の勧誘です。NISA=何でも得、ではなく、何を買うかが重要です。第二に、「国が勧めるから安心」と思い込み、リスクを軽視して生活資金まで投資に回すことです。投資である以上、値下がりリスクは必ずあります。第三に、NISAに便乗した詐欺的な勧誘です。
ご質問の「誰が得をするのか」を整理すると、適切に活用すれば、まず利用者(国民)が非課税メリットで得をします。同時に、投資が広がることで金融機関(手数料)や経済全体もメリットを受けます。つまり「国民か国か」の二者択一ではなく、双方にメリットがある制度設計です。
結論として、新NISA制度自体は国民に有利な仕組みで、過度に恐れる必要はありません。警戒すべきは、制度に便乗した不適切な勧誘や、リスクの軽視です。「国が勧めるから」で思考停止せず、何を・いくら・どう買うかを自分で理解して使えば、新NISAは有効な資産形成の手段になります。商品選びに不安があれば、商品販売を目的としないIFAなどの中立的な専門家に相談されるとよいでしょう。
小宮 健太
株式会社アリスタゴラ・フィナンシャル・サービス
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