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A
青木 光さんの回答
自営業で、将来の年金が会社員より少ないことに不安をお持ちなのですね。上乗せの方法として国民年金基金や付加年金があるが「やめとけ」という声もある、とのこと。整理してお伝えします。
まず、ご質問の前提である「自営業の年金は少ない」について確認します。これは事実です。自営業の方(国民年金の第1号被保険者)は、原則として国民年金(基礎年金)のみで、会社員のような厚生年金の上乗せがありません。国民年金の満額は年額80万円台(月7万円程度)なので、これだけでは老後の生活費を賄うのは難しく、会社員(基礎年金+厚生年金で月14〜15万円程度)との差は小さくありません。だからこそ、自営業の方は、自分で年金を上乗せする工夫が重要になります。
ご質問の「自営業が年金を増やす方法」には、主に次の選択肢があります。
第一に、付加年金です。国民年金保険料に月400円を上乗せして納めると、将来の年金が「200円 × 納付月数」分増えます。たとえば40年(480か月)納めると、月400円の上乗せ(総額19万2,000円)に対し、年額9万6,000円が一生上乗せされます。2年受け取れば元が取れる、非常に効率のよい制度です。ご質問の「付加年金とは何か」「付加年金のデメリット」についてですが、付加年金のデメリットはほとんどなく、唯一、後述の国民年金基金とは併用できない点に注意が必要です。
第二に、国民年金基金です。これは、自営業者が任意で加入し、掛金を払って将来の年金を上乗せする制度です。掛金は全額所得控除になり、節税メリットがあります。受け取る年金額が加入時に確定するため、見通しが立てやすいのが特徴です。
第三に、iDeCo(個人型確定拠出年金)です。自営業の方は、会社員より掛金の上限が高く設定されており(月6万8,000円まで)、掛金が全額所得控除になるうえ、運用次第で資産を増やせます。
ご質問の「国民年金基金はやめとけって本当か」について、フラットにお伝えします。「やめとけ」と言われる理由は、主に次の点です。第一に、インフレに弱いことです。国民年金基金は、加入時に将来の年金額が確定する(固定される)ため、将来インフレが進むと、受け取る年金の実質的な価値が目減りする可能性があります。第二に、途中で脱退しにくく、掛金の変更にも制約があるなど、柔軟性が低いことです。第三に、iDeCoと比べると、自分で運用して増やす余地がない(増減はないが、増やすこともできない)ことです。
ただし、国民年金基金にもメリットはあります。受取額が確定しているため見通しが立てやすく、運用リスクを負いたくない人には安心です。また、終身年金(一生涯受け取れる)を選べるため、長生きリスクへの備えになります。掛金の所得控除による節税効果も大きいです。つまり、「やめとけ」は一面的な評価で、「運用リスクを避け、確定した年金で安心したい人」には向いている制度です。
自営業の方の年金対策は、まず効率のよい付加年金を検討しつつ、iDeCoで運用しながら増やす、というのが、インフレにも対応できる現実的な組み合わせとして有力です。確実性を重視するなら国民年金基金も選択肢です。ご自身のリスク許容度や事業の状況に合った組み合わせは、IFAなどの専門家に相談されると整理しやすくなります。なお、各制度の掛金上限や条件は改定されることがあるため、最新情報をご確認ください。
青木 光
株式会社アリスタゴラ・フィナンシャル・サービス
その他の専門家の回答
A
山下 広祐さんの回答
自営業の方は、年金の上乗せ手段が実は豊富で、これらを活用すれば、会社員に引けを取らない老後の備えを作れます。前向きに選択肢を活かしましょう。
自営業は国民年金のみで手薄になりがちですが、裏を返せば、上乗せの自由度が高い立場です。
主な選択肢は、
(1)付加年金——月わずかな保険料で年金を増やせ、手軽で効率的
(2)iDeCo——自営業は掛金の上限が会社員より高く設定されており、節税しながら大きく上乗せできる
(3)国民年金基金——終身年金で長生きに備えられる
(4)小規模企業共済——廃業・引退時の備えになり掛金も所得控除
の4つです。
特に注目したいのがiDeCoです。自営業の拠出上限は高く、掛金が全額所得控除になるため、節税効果が大きく、かつ運用で増やす自由度もあります。国際分散インデックスで長期運用すれば、複利で老後資金を大きく育てることが期待できます。
「国民年金基金はやめとけ」という声は、運用の自由度の低さや脱退できない点を指しますが、終身で受け取れる安定性は魅力です。iDeCoで増やしつつ、国民年金基金で終身の土台を固める、という組み合わせも有効です。
つまり、自営業は「付加年金+iDeCo」を軸に、節税と運用で攻めつつ、必要に応じ終身年金で守る、という設計ができます。これらを活用すれば、老後の備えを大きく増やせます。最適な組み合わせは、IFAなど専門家と組むと、効率よく設計できます。
山下 広祐
株式会社Stock Fine
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